足の血管再生 大幅に効果高める技術 NHKニュース【動画】…画面クリック!
糖尿病の合併症で足の血管が詰まった患者を対象に骨髄などの細胞を注射して血管を再生させる治療法がありますが、大阪市立大学の研究グループが血管再生の効果を大幅に高める方法を開発しました。
糖尿病などが悪化し、足を切断する患者を大幅に減らせると期待されています。
この研究を行ったのは、大阪市立大学の福本真也講師などの研究グループです。
糖尿病が悪化してひざから下の血管が詰まり足を切断する患者は、少なくとも年間1万人に上るとみられています。
こうした患者には、骨髄から取り出した血管の再生を促す細胞を足に注射し、切断を防ぐ治療が行われることがありますが、注射後、細胞が体の中の別の場所に移動したり、死んだりしてしまうため、十分効果が得られないケースがありました。
そこで福本講師らの研究グループは、細胞の表面に結合しておもしのような役割を果たす微粒子を開発し、マウスで効果を確かめました。
その結果、微粒子と結合させた細胞を注射すると、そのおよそ7割が注射した場所にとどまり新たに作られる血管の量がこれまでの7倍に増えたということです。
研究グループでは、3年後から実用化のための臨床治験を始める計画で、福本講師は「これまでよりもずっと多くの患者が足を切断せずに済む可能性がある。実用化を急ぎたい」と話しています。
本学医学研究科の福本真也講師らのグループは、注射針で細胞と一緒に筋肉注射できる初めての細胞足場粒子を開発しました。末梢動脈疾患の患者に対して行われる治療法、血管新生療法の効果を飛躍的に高め、また治療法としても広い応用範囲が期待されています。
発表雑誌:PLoS ONE
論文名:Enhancement of Cell-Based Therapeutic Angiogenesis using a Novel Type of Injectable Scaffold of Hydroxyapatite-Polymer Nanocomposite Microspheres,
「細胞移植による血管新生療法の治療効果を増幅する注入型細胞足場粒子の開発」
本研究の成果は、4月19日発行の米オンライン科学誌「PLoS ONE」に掲載されました。
記者レクの模様
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<研究内容に関する問い合わせ先>
大阪市立大学大学院医学研究科 講師 福本 真也
TEL:06-6645-3806