朝日新聞デジタル:原発ゼロなら核燃料処理費7.1兆円 原子力委が初試算 - 政治
核燃料サイクル政策の見直しを議論している内閣府原子力委員会の小委員会は19日、原発の使用済み核燃料の処理にかかる総費用の試算を公表した。2020年までに原発をゼロにし、再処理せず全て地下に埋設して直接処分すると、青森県六ケ所村での再処理事業の廃止に伴う費用約5兆円を含めても7.1兆円。全量再処理を基本とする現行計画より2〜3割安くなった。
国の原子力政策大綱は、全電力に占める国内の原子力発電の比率を、2030年以降は30〜40%にすることを目指す一方、全ての使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再利用する「全量再処理」路線を掲げている。これに対して、国が「将来原発ゼロ」「全量直接処分」のシナリオのコスト試算をしたのは初めて。
試算では(1)全量再処理(2)再処理と直接処分の組み合わせ(3)全量直接処分――の各シナリオについて、将来の原子力発電の比率を「20年に0%」「30年に20%」「35%を維持」の3ケースを想定し、それぞれ、再処理や燃料加工などにかかる費用について、2030年までの総額を調べた。
経産省が、再生エネの産業自立化を進めるために異業種参入を促す研究会を開く。確かに研究会でお勉強も必要だが、発送電分離改革を急ぎ、エネ調で原発依存度20〜35%のエネルギー選択肢を放棄することが先決です。日本企業の技術開発意欲は高いのに…。 goo.gl/5f3lF
再生可能エネルギー:産業自立化で経産省が研究会 − 毎日jp(毎日新聞)
経済産業省は、太陽光、風力、蓄電池などの再生可能エネルギーの産業自立化を進めるため、大手情報通信や自動車など異業種企業による参入を積極的に後押しする方針だ。17日に「エネルギービジネス戦略研究会」の初会合を開き、具体策の検討に着手する。7月までに報告書をまとめ、環境産業による雇用創出・経済成長を目指す政府の「グリーン成長戦略」に盛り込むことを目指す。【小倉祥徳】
経産省によると、再生エネルギーと燃料電池などを含めた世界の新エネルギー市場は10年の30.3兆円から20年に86兆円に拡大し、自動車産業(20年は151兆円)の半分以上の規模となる見込み。
新エネルギー産業の現在の日本の輸出比率は30.5%と自動車(27.9%)を上回っているが、コスト競争力がある中国など新興メーカーの進出が相次ぎ、4月上旬にはドイツの太陽電池大手が経営破綻するなど、世界的に競争が激化している。
米国や中国、韓国などでは、政府が巨額の投資で新エネ産業の強化を支援している。国内でも7月から再生エネルギーの全量買い取り制度が始まるが、原子力や火力発電に比べて依然コストが高いため、電力会社に購入を義務付けなければ事業者の採算が合わず、自立した事業構造になっていないのが実情だ。
太陽光パネルに強みを持つ国内企業の市場シェアも年々低下しており、海外展開への金融支援を含めて官民一体で競争力強化に取り組む必要があるというのが経産省の認識だ。
研究会では、こうした問題意識を共有した上で、ITや燃料電池技術を生かした異業種企業の参入促進▽現地企業との連携など海外展開の強化▽金融機関の融資拡大への環境整備−−などを議論。具体策がまとまれば、来年度の予算措置も検討するという。
研究会の委員は電機業界に詳しいアナリストの伊藤敏憲氏ら5人。初会合ではNTTコミュニケーションズの海野忍副社長がエネルギー業界への参入可能性について講演する。
★再生可能エネルギー 火力発電の燃料として使う石油・石炭や天然ガスなどの化石燃料や、原発向けのウランなどは埋蔵量に限りがあるが、太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなどは永続的に利用できる。二酸化炭素など温室効果ガスの排出量も相対的に少なく、環境に配慮したエネルギーとして普及が期待されている。しかし、天候などに左右されやすいのが欠点で、ITや蓄電池の技術を活用してどう安定供給を確保するかが最大の課題。設備も高価なため、原子力などに比べ発電コストが高く、国内の全発電量に占める割合は、水力を除けば1%程度。政府は電力会社による全量買い取り制度を7月から開始する方針で、経済産業省の有識者委員会で、買い取り価格や期間が議論されている。
4月18日 NHK『ラジオあさいちばん』から
☆☆☆ ビジネス展望 ☆☆☆
『エネルギーミックスのおかしな選択』 金子 勝さん
総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会が、
2030年時点のエネルギーミックスの選択肢を議論している。
委員会の事務局がいきなり2030年時点での電源構成比を提示していて、
数字だけが一人歩きする形で議論が進んでいるようである。
福島の原発事故を踏まえて、
どのようなエネルギーを基盤にした社会や経済のシステムを選択すべきか
という理念を議論して、
どのようなアプローチでそれを達成するかと言うのをまず決めるのが先ではなかろうか。
しかし具体的に、原発の比率を0%、20%、25%、35%のケースにわけて、
それぞれの場合にどうなるか、という事を議論しているようである。
この選択肢には重大な問題が含まれている、と警告したい。
つまり、政府の方針を守って、原発の新設は止めにして、築後40年で廃炉にするのであれば、
原子力発電による電力の供給を、20%以上にするという選択肢はあり得ない事だからである。
つまり、原発の新設は止めにして、築後40年で廃炉にするという政府の方針を守るとすれば、
2030年時点で稼動している原発は現行の54基から19基に減ってしまう事になる。
現行の54基による原発依存率が26%だから、
19基では10%前半になり、半減してしまうはずである。
そうすると、原発依存度20%以上の選択肢というのはあり得ない。
もし、20%以上の選択肢を選ぶとするなら、
原発を新規建設するか、廃炉期限を延長して40年以上使い続けるかしかない。
特に35%の選択肢を実現させようとすると、
30基以上の新設し、老朽化した原発も延長して使うしかない。
35%というあり得ない選択肢を挙げたのは、
あたかも20%や25%の選択肢が低い原発依存率だと、
国民に印象付けをさせようとしているのではないかと思えてくる。
原発をゆっくり減らして行くか、即時廃止かという違いはあるが、
今は国民の6〜8割に及ぶ多数が、脱原発を支持し、再エネに期待している。
それなのに、原発依存率35%という選択肢を掲げるなどは、
倫理的に許されることではない。
基本問題委員会では、例えば次のようにしてから、
国民に選択肢を与えて欲しいものである。
それは、誰にでもわかると思うが、
危険な原発を取り除き、絞り込む作業が必要である。
つまり、40年以上経過した老朽原発や、
地震に弱いと言われているマークワン型の格納容器を持つ原発、
3連動地震の危険のある浜岡原発など、
これらの原発を廃炉にするとして、その上で選択肢を示すべきである。
その上で、
原発を即時廃止するのか、稼動させるが期間を定めて廃炉にするのか、
の選択肢を示して
国民的議論を巻き起こすことこそ、国民の望んでいることではないだろうか。
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”よらしむべし、知らしむべからず”…今の政府の根幹姿勢です。これでは、封建時代の江戸期と同じ統治構造です。311以降の一連の動きを見て、慎重なだけかと思いきや、全く国民の知る権利を無視した”マインドコントロール至上主義”としか思えません。
誰がどう考えても、原子力廃棄物処理は、思いの外とても高くつきます。火力発電の燃料代の比ではありません。
先ずは、贅沢になり過ぎている電気の使用状況を、通常の欧米諸国並程度に落ち着かせて行くべきであり、さらに省電/節電の技術開発を進めるべきです。
そして、今の原子力発電の原理を脱した「後処理が少なくて済む原理のものか核融合の技術等」へ向けて研究を進めるとともに、とりあえずは、脱原発を進めるべきと思います。”窮すれば通ずる”格言の通り、先端技術が開発されて行くことを期待しています。太陽光発電は、相当速い速度でコストダウンして行くはずであり、2020年には、色々な再生エネルギーの展望が明確に広がっていることと思っています。
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