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メモ 「 スマハ=スマートハウス&スマートフォン」

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(電子版セレクション)省エネ住宅「スマハ」時代 :日本経済新聞

 今年の新語・流行語になった「スマホ」。スマートフォン(高機能携帯電話)の普及に伴い、一気に広まった。来年は、次世代省エネ住宅の「スマートハウス」、つまり「スマハ」がブレイクするかも知れない。太陽光発電や蓄電池の技術も向上し、住宅業界はいよいよ本気だ。

 「絶対に来年度の上期にする」。積水化学工業の本社会議室で、住宅部門を率いる高下貞二取締役専務執行役員は次期戦略商品の投入時期について担当者にこう念押しする。すべての新築住宅をスマートハウス仕様に切り替える戦略を打ち出した。住宅大手が全商品をスマートハウス仕様にするのは初めて。

 

実質上乗せ200万円台

 高下氏は蓄電池、太陽光発電システム、家庭内エネルギー管理システム(HEMS)をスマートハウスの「三種の神器」と呼ぶ。これらを標準搭載した住宅を初年度に1万棟販売する計画。国からの補助金も活用し、顧客の実質的な上乗せ負担額を200万円台に抑制する。

 大手各社のスマートハウス商戦は既に本格化している。ミサワホームは太陽熱集熱と太陽光発電を併用したシステムを備えた商品を投入。積水ハウスは災害にも強いHEMSを備えた住宅を今月商品化した。大和ハウス工業は来年1月、スマートハウス購入者から二酸化炭素(CO2)削減量を買い取る事業に着手する。

 従来の省エネ住宅とスマートハウスの違いは、家庭のエネルギー消費を自動的に最適化するHEMSなどの技術を導入し、「賢さ」を備えていることだ。

 これまでも省エネ住宅は住宅メーカーにとって重点分野だった。だが、福島第1原発の事故でエネルギーをめぐる生活環境は大きく変化し、「次世代」という位置付けだったスマートハウスの普及に向けた工程表は一気に短縮された感もある。

 富士経済(東京・中央)が20日発表した調査によると、HEMSなどの先端機器だけでもスマートハウス関連市場は2020年に約12兆円と、11年の4倍以上に成長する見通し。スマートハウスの普及は家電業界だけでなく、自動車業界にも影響を与えており、関連産業の裾野が広い。

 例えば、トヨタホームは11月、自動車とつながるスマートハウスを商品化した。トヨタ自動車が来年1月に発売するプラグインハイブリッド車(PHV)と連携し、住宅と自動車の間で電力を効率的にやり取りできるのが特徴だ。非常時の給電システムを標準装備。コンセントを搭載した自動車から家庭に電力を供給できるため、停電時も安心という。

 異業種を巻き込む動きには、建材や住宅設備機器の業界も敏感だ。建材開発のデザインオフィスライン(DOL、東京・渋谷、宮内智社長)は10月、千葉市で開催されたIT(情報技術)家電見本市「CEATEC(シーテック)ジャパン」に参加し、日産自動車と共同開発したスマートハウスを公開した。

 屋根に搭載した出力2キロ〜5キロワットの太陽光発電パネルを駐車場にある電気自動車(EV)と接続し、容量24キロワット時のバッテリーを充電。700ワットの発電能力を持つ燃料電池と併用することで、一般的な住宅が1日に必要とする電気を賄える。

 

水量の自動制御も研究

 

 住設機器・建材の最大手、住生活グループもスマートハウス市場を狙う。グループ中核企業のLIXILは8月、東京大学生産技術研究所と連携し、駒場キャンパス(東京・目黒)でスマートハウスの実証実験を始めた。単に電力消費の制御だけではない。HEMSを通じて、トイレや台所などの水回り製品の水量も制御する技術を開発中だ。

 無線通信機器を利用し、トイレや風呂で使った水量のデータをHEMSに集約。家全体と住設機器ごとの水量の抑制目標を設定し、目標値を超えると自動的に水量を抑制する仕組みだ。HEMS対応のトイレや風呂を15年度までに商品化する。

 ただ、スマートハウスの普及には課題も多い。例えば、エネルギーを制御するHEMSと家電などを接続する規格の統一問題。経済産業省は電機や住宅、自動車など各業界の国内有力企業に呼び掛け、規格を統一する合意をようやく取り付けた段階だ。そして消費者に受け入れられる価格の設定も重要な要素になる。

(山根昭)

住宅業界、全ての道は「スマハ」につながる :日本経済新聞

 今年の新語・流行語になった「スマホ」。スマートフォン(高機能携帯電話)の普及に伴い、一気に広まった。では、次世代省エネ住宅「スマートハウス」は来年ブレイクするのか。太陽光発電や蓄電池の技術も向上し、いよいよ住宅業界は本気だ。「スマハ」と言えば、小学生でも分かる。そんな時代が来るかも――。

 「絶対に来年度の上期にする」。積水化学工業の本社会議室で、住宅部門を率いる高下貞二取締役専務執行役員は次期戦略商品の投入時期について担当者にこう念押しする。すべての新築住宅をスマートハウス仕様に切り替える戦略を打ち出した高下氏は、蓄電池の選定状況などの報告を受けながら、部材調達や価格設定などについて策を練っている。

 高下氏は蓄電池、太陽光発電システム、家庭内エネルギー管理システム(HEMS)をスマートハウスの「三種の神器」と呼ぶ。これらを標準搭載した住宅を初年度に1万棟販売する計画だ。住宅大手が全商品をスマートハウス仕様にするのは初めて。「フルスペック」商品は高コストだが、国からの補助金に加え、コストの一部を自社で負担し、顧客の実質的な上乗せ負担額を200万円台に抑制する。

 大手各社の動きを見ると、スマートハウス商戦は既に本格化している。ミサワホームは太陽熱集熱と太陽光発電を併用したシステムを備えた商品を投入。積水ハウスは災害時対応のHEMSを備えた住宅を今月商品化した。大和ハウス工業は来年1月、スマートハウスの購入者から二酸化炭素(CO2)削減量を買い取る新事業に着手する。

 従来の省エネ住宅とスマートハウスの違いは、家庭のエネルギー消費を自動的に最適化するHEMSなどの技術を導入し、「賢さ」を備えていることだ。

 これまでも省エネ住宅は住宅メーカーにとって重点分野だった。だが、東京電力の原子力発電所事故でエネルギーをめぐる生活環境は大きく変化し、「次世代」という位置付けだったスマートハウスの普及に向けた工程表は一気に短縮された感もある。

 調査会社の富士経済(東京・中央)によると、太陽光発電や家電も含めたスマートハウス関連製品の市場規模は2020年に18兆円と、昨年の9倍近くに拡大する見通しだ。スマートハウスの普及は家電業界だけでなく、自動車業界にも影響を与えており、従来の住宅以上に関連産業の裾野が広い。

 例えば、トヨタホームは11月、自動車とつながるスマートハウスを商品化した。トヨタ自動車が来年1月に発売するプラグインハイブリッド車(PHV)と連携し、住宅と自動車の間で電力を効率的にやり取りできるのが特徴だ。非常時の給電システムを標準装備しており、コンセントを搭載した自動車から家庭に電力を供給できるため、停電時も安心という。

 

デザインオフィスラインは日産自動車とEV連携のスマートハウスを開発。紙パネルの建材を使ったのも特徴(10月に開かれた「CEATEC」)

デザインオフィスラインは日産自動車とEV連携のスマートハウスを開発。紙パネルの建材を使ったのも特徴(10月に開かれた「CEATEC」)

 

 異業種を巻き込む動きには、建材や住宅設備機器の業界も敏感だ。建材開発のデザインオフィスライン(DOL、東京・渋谷、宮内智社長)は10月、千葉市で開催されたIT(情報技術)家電見本市「CEATEC(シーテック)ジャパン」に参加し、日産自動車と共同開発したスマートハウスを公開した。電気自動車(EV)のバッテリーを活用し、外部電源を使わずに生活できるのが特徴だ。

 屋根に搭載した出力2キロ〜5キロワットの太陽光発電パネルを駐車場にあるEVと接続し、容量24キロワット時のバッテリーを充電。700ワットの発電能力を持つ燃料電池と併用することで、一般的な住宅が1日に必要とする電気を賄える。さらに住宅が構造部以外はすべて紙製パネルで造られているのも注目点。軽量で運搬しやすく、基礎工事も不要なため、約2日で建設できる。DOLは被災地などの仮設住宅としての需要も見込む。

 家電の見本市に建材業界と自動車業界が連携し、未来の住宅を展示する。このことがスマートハウスの影響力を物語る。中小企業のDOLが「日産側からアプローチを受けた」(宮内社長)という。

 住設機器・建材の最大手、住生活グループもスマートハウス市場を狙う。グループ中核企業のLIXILは8月、東京大学生産技術研究所と連携し、駒場キャンパス(東京・目黒)でスマートハウスの実証実験を始めた。単に電力消費の制御だけではない。HEMSを通じて、トイレや台所などの水回り製品の水量も制御する技術を開発中だ。

 

LIXILはHEMSで水量を制御する水回り製品を東大と開発中だ

LIXILはHEMSで水量を制御する水回り製品を東大と開発中だ

 

 無線通信機器を利用し、トイレや風呂で使った水量のデータをHEMSに集約。家全体と住設機器ごとの水量の抑制目標を設定し、目標値を超えるとコントローラーが自動的に水量を抑制する仕組みだ。HEMS対応のトイレや風呂などを15年度までに商品化する。

 異業種も巻き込み、スマートハウスはブレイク前夜の様相だが、普及には課題も多い。例えば、エネルギー制御の「頭脳」であるHEMSと家電などを接続する規格の統一問題。経済産業省は電機や住宅、自動車など各業界の国内有力企業に呼び掛け、規格を統一する合意を取り付けた。だが、来春、世界標準を決める国際的な協議に入る段階で、日本の提案する規格が認められるのかどうかは不透明だ。

 そして価格。積水化学は消費者の負担増加分を200万円台に抑えるとしているが、消費者に十分に訴求できるのかが問われる。もちろん環境性能を追求するあまり、住まいの快適さを損ねては本末転倒だ。スマートハウスの技術開発には、環境性能と快適さの両立も不可欠になる。

 こうした課題を克服すれば、スマートハウスが暮らしの中に自然に浸透していく可能性は高い。「携帯情報端末(PDA)」と身構えることなく、スマホを操作する人の姿が珍しくなくなったように、わざわざスマートハウスと呼んで特別視する必要がなくなるとき、低炭素社会の実現が一歩近づくのかもしれない。

(産業部 山根昭)

住宅大手、省エネ住宅「スマートハウス」開発を強化 :日本経済新聞

 住宅大手が次世代省エネ住宅「スマートハウス」で、商品やサービスを拡充する。積水ハウスは災害時対応の家庭内エネルギー管理システム(HEMS)を導入した住宅を12月から販売。大和ハウス工業は住宅の購入者から二酸化炭素(CO2)削減量を買い取る新事業に乗り出す。スマートハウスの商戦が本格化するなか、付加価値を高めて独自性を打ち出す。

積水ハウスは防災対応HEMSを搭載する(完成イメージ)

積水ハウスは防災対応HEMSを搭載する(完成イメージ)

 積水ハウスのHEMSは住宅に取り付けた太陽電池、蓄電池、燃料電池の3電池の電力情報を外部サーバーと自宅サーバーの両方で管理する。通常時は外部サーバーを活用し、外出先からパソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)で使用状況をリアルタイムで閲覧できる。災害時は、自宅サーバー経由で蓄電池の残量などをスムーズに確認できる。

 12月から引き渡す次世代型住宅「グリーンファースト・ハイブリッド」に標準搭載する。2012年には同商品の分譲住宅数十棟から構成する「スマートタウン」の開発にも着手する計画だ。

 大和ハウスは経済産業省の「国内クレジット制度」に基づき、家庭から小口のCO2排出枠を買い取る。このほど経産省から排出量取引に参加するための事業承認を取得した。12年1月から開始する。

 太陽電池と蓄電池を組み合わせた省エネ性能の高い次世代型住宅「スマ・エコ オリジナル」を購入した顧客が対象で、まず約350世帯に参加を呼び掛ける。


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