SJN @SJN_News
日本ガイシ、NAS電池の火災原因究明。安全強化し操業再開へ (発表資料)bit.ly/LooBsO pic.twitter.com/OVBguEtp
2012年06月07日 NAS電池の火災事故の原因、安全強化対策と操業再開について|ニュース|日本ガイシ株式会社
2012年6月7日
日本ガイシ株式会社
日本ガイシ株式会社(本社:愛知県名古屋市、社長:加藤太郎)が製造した電力貯蔵用NAS電池(ナトリウム硫黄)において昨年9月21日に発生した火災事故の原因と安全強化対策および工場の操業再開についてお知らせいたします。
当社は火災事故発生以降、原因究明と対策に取り組んでまいりました。このたび、火災事故の原因および延焼防止対策の内容について、危険物保安技術協会殿を事務局とする第三者委員会の検証により妥当であると評価されました。
その検証結果を踏まえ、消防庁殿と協議を行い、監視体制なども含めた安全強化対策を自主的に実施することを決定いたしました。
これらの安全強化対策を実施することにより、従来のNAS電池よりさらに多重化した安全機能が備わるため、より安心して電池を使用していただくことができます。
当社はこれまで、ほぼ全てのお客さまに運転停止や運転制限をお願いしておりました。設置箇所を管轄する消防当局殿のご指導を仰ぎながら、設置状況に応じた安全強化対策を早期に実施し、運転を再開できるように努めてまいります。
火災の原因と安全強化対策の主な内容は以下の通りです。
1.火災の原因 (図1参照) NAS電池システムを構成するモジュール電池40台のうち1台(単電池384本収納)に製造不良の単電池が1本あり、その単電池が破壊して高温の溶融物が流出した。 溶融物がモジュール電池内のブロック間にある砂層を越えて流出し、隣接するブロックにある単電池との間で短絡(ショート)が発生した。 短絡した単電池間にヒューズが設置されていなかったため、短絡電流が継続的に流れて発熱したことで多数の単電池が破壊して火災が発生し、当該モジュール電池全体に延焼拡大した。 当該モジュール電池1台の燃焼により、火炎と高温の溶融物が上段と下段に設置されていた他のモジュール電池内の単電池容器を溶解させ、さらに延焼拡大した。 2.安全強化対策1)モジュール電池の延焼防止対策 (図2参照) 短絡電流による火災の発生を防止するため、モジュール電池内の単電池間にヒューズを追加する。 流出した溶融物による短絡電流の発生を防止するため、モジュール電池内のブロック間を隔てる短絡防止板を設置する。 他のモジュール電池への延焼拡大を防止するため、上下のモジュール電池の間に延焼防止板を設置する。 2)その他の安全強化対策 火災発生を早期に発見するための監視体制の強化 火災発生に備えた消火設備と防火備品の設置および消火体制の整備 火災発生に備えた避難経路の策定と誘導体制の整備当社では火災事故発生以降、NAS電池工場(愛知県小牧市)の操業を中断しておりましたが、原因の究明と安全強化対策の確立を受けて、今月から操業を再開いたします。
当面は既設のNAS電池を継続して使用されるお客さまの電池を工場に引き取り改造することを優先し、新規生産につきましては本年度下期の開始を予定しております。
このたびの火災事故により、お客さまをはじめ関係各位に多大なご心配とご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申しあげます。
再生可能エネルギーの利用拡大やスマートグリッド(次世代送配電網)の構築、エネルギー政策の見直しなどにより、大容量蓄電池に対するニーズは世界的にますます高まっております。
当社では今後とも、安全強化対策の徹底とさらなる品質の向上を図り、お客さまへのアフターサービスに努めるとともに、大容量で高効率の蓄電能力に高い評価をいただいているNAS電池の事業拡大に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
以上