masaru_kaneko 金子勝 静岡県が温泉発電の規制緩和を求めています。 goo.gl/ECzyR 信金中央金庫の地域・中小企業研究所は、地域金融機関が「地域共同発電所」の初期投資を支える役割を強調しています。goo.gl/p6mFd 来年は地方の頑張りが報われる年に。 上記のツイートを追いかけていったら、こんなものに出くわしました。全ての温泉で取り入れられるものであり、工場排水等、有効利用できるものです。 地熱発電で難しいことを言う前に、簡単に有効利用できそうですね!
神戸製鋼所、小型バイナリー発電システムを販売 | ジャパン・フォー・サステナビリティ Japan for Sustainability
神戸製鋼所は2011年9月8日、地熱や工場排熱等を利用して発電する、高効率・小型バイナリー発電システム「マイクロバイナリー」の販売を2011年10月より開始すると発表した。システムの最大発電端出力は70kWで、本体ユニット価格は2500万円。
バイナリー発電は、沸点の低い作動媒体を加熱・蒸発させてその蒸気でタービンを回し発電するシステム。再生可能エネルギーの固定価格買取制度の導入が決定したことや、小型バイナリー発電設備の電気事業法に係る規制緩和が検討されていることにより、簡易型バイナリー発電装置の普及が期待されている。
「マイクロバイナリー」は、70〜95℃の温水、もしくは温水に変換できる廃液やガスなどの熱源から発電するシステムで、温泉水や地熱資源、バイオマス、太陽熱など、幅広い熱源の利用が可能。また、世界初の半密閉スクリュタービン方式の発電システムで、作動媒体や潤滑油が漏れない構造のため、長期の安定運転が可能。
価格面では、同社の冷凍機・ヒートポンプ等の量産技術の活用や部品の共用化を図ることで、低価格化を実現した。同社では、130℃以下の蒸気を使った120kW級の蒸気熱源バイナリー発電システムの開発にも着手しており、2015年までにバイナリー発電で年間売上高30億円を目指すとしている。
神戸製鋼と電力会社、高効率温水ヒートポンプを開発(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/030131.html
温泉の排水を使う発電 熱海復活の夢をかける:資源・エネルギー:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−
静岡県熱海市で温泉を使い低温度差発電の研究に取り組む。開発者は「発電床」など常識を覆す新たな発電の旗手だ。
静岡県熱海市は、誰もが知る日本有数の温泉地だ。1934年、東海道本線の丹那トンネルが開通し、首都圏から保養客が押し寄せるようになった。しかし90年代以降、観光客の減少に苦しむ。2006年に財政危機宣言を発した。
かつてのにぎわいを取り戻すため、温泉を使った発電に取り組んでいる。と言っても、地下深くに井戸を掘り、蒸気でタービンを回す地熱発電のような大掛かりなものではない。
温泉と水道水の温度差を電気に変換する半導体素子を使い、発電する。低温度差発電と呼ばれる。慶應義塾大学環境情報学部の武藤佳恭教授とともに、この発電システムの実用化研究を進める。旅館などが使わずに捨てている温泉の排水を使う。
低温度差発電の設備は旅館「日航亭・大湯」にある。徳川家康も入浴したこともある由緒ある湯元だ↓
5度の温度差でも発電 ●低温度差発電の仕組み 冷水と温水に熱伝導率の高いヒートパイプを浸し、熱電素子に熱を通して電気に変換する仕組み
熱海市内のある旅館。1階の大浴場の裏手にその発電装置がある。作りはシンプルだ。2つの食品保存容器に温泉の湯と水道水を入れ、両方に銅製のパイプを浸すと、発光ダイオード(LED)ランプ2つが明々とともった。熱い方から冷たい方に伝わる熱の性質を利用し、パイプ内で熱伝導を起こす。その熱を半導体素子に通すと電圧が発生する。
2009年8月、武藤教授が熱海市で実験した時には、半導体の熱電素子「ペルチェ素子」2枚を使い、5Vの発電に成功し、LED12個で組み立てた照明灯6個を点灯した。
ペルチェ素子は通電すると、温度差を生じ、冷却できる。数百円で入手でき、携帯用冷蔵庫やワインクーラーなどに使われる。この素子に温度差を与えると、逆に発電できる。
この装置は5度の温度差があれば発電できる。温度差が大きいほど、発電量が増える。100度の温度差があれば10W、200度差で19W発電する。廃棄する温泉を活用するので経済的で、CO2を出さずクリーンだ。
2010年11月に公開した旅館の装置には、ペルチェ素子の代わりに、発電専用の熱電素子を使った。人工衛星や石油パイプラインの緊急時の電源として使うものだが、ニーズが少ないため、値段は高い。これを使うと、発電量は前年に比べて4〜5倍に増えた。
発電装置を製造するメーカーの量産体制が整えば、最新型は量販店などで数年以内に数万円程度で販売可能になる見込みだ。
熱海市では90℃前後の温泉熱は常に供給が可能であり、武藤教授は水だけではなく、外気との温度差を利用した発電装置も開発中だ。
12月には高さ1.5mのクリスマスツリー2基をLED100個で電飾した。熱海市では、改修工事を予定している熱海駅前広場の足湯にこの装置を設置するアイデアが出ているほか、将来的には照明や無線LANルーターや防災システムの電力源にすることも検討している。
「最大の資源である温泉を活用し、環境にやさしいまちづくりで、熱海を再生したい」と齋藤市長は意気込む。
武藤教授は2006年、JR東日本が開発を進める「発電床」の研究に携わった。床上を歩く時に生じる振動を利用して発電するシステムだ。床内部には、圧力や振動を電圧に変換する圧電素子を組み込んでいる。駅の改札などに発電床を設置すれば、自動改札や電光表示器などの電力の一部を賄える。
しかし、JR東日本管内の駅の6割は、発電床には適さない過疎の駅。「人がいなくても発電する仕組みを」と考えて、温度差発電を思いついた。
食品保存容器の中に温泉と水道水を流し、銅製パイプで熱を伝導する(右)。温度差に半導体素子が反応し、LEDランプが点灯した(左) [クリックすると拡大した画像が開きます]
風呂熱利用でCO24.3%減
2007年、「サーモエレクトリック・パワー・ジェネレーター」を開発した。上に手を載せるだけでプロペラが回る。動画サイト「ユーチューブ」でこれまでに16万回以上再生されている。
ペルチェ素子を使い、手のぬくもりと外気の温度差で発電する仕組みだ。上に氷を載せると、外気よりも冷たくなるため、手を載せた時と逆の方向にプロペラが回る。
武藤教授のもともとの専門はコンピューター科学だが、こうした研究実績もあることに熱海市の職員が注目し、「温泉を使った温度差発電システムを開発してほしい」と依頼した。
「半導体や発電の専門家は、その分野の性能や効率向上にとらわれやすい。コンピューターのアーキテクチャーを構築するのと同様に原理原則から考えたから、新しい発電システムを思いつけた」と武藤教授は語る。
武藤教授は、未利用の排熱に注目する。温度差は電気に変換可能だからだ。例えば風呂の排熱。40℃のお湯250Lが15℃に冷めるまでに放出するエネルギー量に日本の世帯数をかけると1年で11.3万Tcalに相当する(T:テラは1兆)。これは日本のCO2排出量の4.3%と同じだ。
政府が統計で発表している産業排熱、原子力発電所の排熱、自動車の排熱を合わせると、年間80万Tcalになる。換算すると、これらを使うと、3.86億tのCO2削減になる。
CO2を1990年度比で25%削減するには、国民一人ひとりが2.48tずつ削減する必要がある。武藤教授によると、これは各自が年間、667Wの電球を点灯する分に相当する。つまり、100Wの電球を一人ひとりが1年間、6〜7個使わなければ、「25%削減」は可能になる計算だ。
武藤教授は昨年、鳩山由紀夫・前首相にこうしたテーマでのレクチャーを依頼されていた。直前にキャンセルになり、その後すぐに首相の辞任が発表された。
サーモエレクトリック・パワー・ジェネレーターは上部に手を当てると発電し、プロペラが回る(右)。写真左は開発した武藤佳恭教授 [クリックすると拡大した画像が開きます](日経エコロジー2011年3月号より)
武藤佳恭:長崎市出身 県立長崎東高等学校卒業
1978年:慶應義塾大学工学部電気工卒業
1980年:慶應義塾大学大学院修士課程電気工修了
1983年:慶應義塾大学大学院博士課程電気工修了
学位:工学博士(1983年)
1983年-1985年:南フロリダ大学コンピュータサイエンス学科客員助教授
1985年-1988年:南カロライナ大学コンピュータサイエンス学科助教授
1988年-1997年:ケースウエスタンリザーブ大学電気工学準教授
1992年-1997年:慶應義塾大学環境情報学部助教授
1997年-現在 慶應義塾大学環境情報学部教授
武藤教授が、2008年、温度差で電気を起こす発電装置が開発し、自然のクリーンエネルギーとして注目されている。 実験の場として適切な温泉地を探していた武藤教授に、熱海市が名乗りをあげ、今熱海市の協力の下に、研究が進んでいる。
熱海市と武藤教授+研究グループ企業連携で「低温度差発電の実用化研究と事業展開」プロジェクトは、2009年8月に同市内の温泉施設で実験が行われた。
半導体「ペルチェ素子」(冷蔵庫に使われている)の、温度差を与えると発電する発電方法。ペルチェ素子2枚と温泉熱と水の双方から熱を伝導させる金属で構成された発電装置が使用され、外部電源を使わずに5Vの発電に成功し、LED12個を1つの照明灯6個が点灯した。LED(発光ダイオード)照明の点灯に成功した。(TBS『夢の扉』)
異種の金属を接合した時生じる熱電効果をペルチェ効果、またはゼーベック効果という。
電流を流して温度差が出来る事をペルチェ効果
温度差で起電力が発生することをゼーベック効果
ペルチェ素子に温度差を与えても、ゼーベック効果が現れますし、ゼーベック素子に電流を流しても(僅かと思われるが)温度差(熱移動)が発生する。注:ゼーベック素子(殆ど聞かない呼び名)は、一般に、温度測定に使われる熱電対が知られています。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E9%9B%BB%E7%B4%A0%E5%AD%90 結局、ペルチェ素子・ゼーベック素子の違いは、使用する目的によって違うわけで、接合する金属・構造(ペルチェ素子は電気的に直列、熱的に並列に組立てられる)・外形などが用途によって変わります。ヤフー知恵袋より
今後の事業展開として、熱海市と武藤教授の合同プロジェクトでは、常時供給可能な90℃を超す温泉熱を活用し、地下水や湧き水など水との温度差、さらには外気との温度差で発電する新型発電装置の開発に取り組む。将来的には照明のほか、無線LANルーター、防災システムなどへの電力供給し、熱海市に住めば、電気代は無料か、半額という温泉を核とした環境にやさしい街を計画している。
市長が大変乗り気のようで、これが成功したら、日本中で温泉革命が起きるのではないか。日本の温泉地は、一気に活性化する。温泉に客が来ない地域でも、電気を供給地帯として景気に左右されないで生き延びることが可能になる。こんな可能性にとんだ話題は、楽しいと思いませんか。