石油資源開発の6月ニュースリリースにも無かったことが、今回突然報道されています。朝日新聞は熱心ですが、日経も産経もなおざりな扱いです。一応500万バレルと言うと日本の消費量の1日分(2005年レベル)です。技術開発でやってやれないことは無いので再発表したと言うことでしょうか。北海道でも新潟県でも既にテスト的には成功油田が存在しています。日本海のメタンハイドレートへの牽制があるのかと懸念しています(邪念か?)…
朝日新聞デジタル:日本初、秋田に「シェールオイル」 来年にも試験生産へ
シェールオイルがあると分かった女川層。来年にも深さ1千〜1500メートルで試験生産を始める=秋田県由利本荘市西沢、石油資源開発提供
シェールオイル開発予定地
新たな資源として注目されている「シェールオイル」が日本でも見つかり、初の試験生産が来年にも始まる。石油やガスの採掘会社「石油資源開発」が秋田県内の岩盤層に、米国と同じような良質のシェールオイルがあることを確認した。生産が軌道に乗れば、国内で順次販売する。
シェールオイルが見つかったのは、秋田県由利本荘市の「鮎川油ガス田」。石油資源開発は来年にも、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と、地下1千〜1500メートルで試験生産を始める。
関係者によると、総量で500万バレル程度の石油が採れる見込みという。また、秋田県内にはほかにも有望なシェールオイル田が複数あるとみており、石油資源開発などは5年以内をめどに周辺地域の開発も手がけたい考えだ。
これらを合わせると、最大1億バレルの石油の採掘が期待できるという。国内の年間石油消費量の1割弱にあたる規模になる。
鮎川油ガス田では1995年から石油資源開発が石油と天然ガスを生産している。当初から、石油を採掘する層に近い岩盤層にも原油が含まれていることは分かっていたが、当時は採掘方法がなかったため、生産可能な油田とは考えられていなかった。
だが最近、米国で大規模なシェールオイルの採掘が始まったことから、詳しく岩盤層を調べてみたところ、米国と同じようなシェールオイルを採掘できることが分かった。いまは、来年からの試験生産に向けて、採掘する位置や深さなどを検討している。
日本は石油や天然ガスの埋蔵量が少なく、国内消費の大半を輸入に頼っている。だが、埋蔵の可能性がある各地でシェールオイルの生産が始まれば、国内の自給率も高まる。
石油資源開発では、秋田県内での生産がうまくいけば、国内のほかの地域でも探査を広げる考えもある。新潟県内には、岩盤層から採掘する天然ガス「シェールガス」田があるとみている。(鳴澤大)
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〈シェールオイル〉 地下にある「頁岩(けつがん=シェール)」と呼ばれる泥岩の層に含まれている石油。これまでは採掘するのが難しかったが、強い水圧をかけて岩盤層に亀裂を入れて取り出す方法が開発され、生産しやすくなった。原油価格の高騰で採掘コストも見合うようになり、米国やカナダで盛んに生産されるようになっている。同じように岩盤層に含まれる天然ガス「シェールガス」とともに、採掘可能な量が急増することから「シェールガス革命」と呼ばれる。
油ガス田名 申川油田 所在地 秋田県男鹿市 発見年 1958年 生産開始年 1959年 概況 申川油田は、秋田市から北へ35km、男鹿半島北方の海岸とその沖合いに広がっています。1958年に掘削した試掘井「申川SK-2」の成功により誕生しました。申川油田では、ガスリフト採油、原油2次回収としての水攻法、掘削技術の進歩を踏まえた大偏距井(Extended Reach Well)など合計100坑以上の坑井が掘削されています。 油ガス田名 鮎川油ガス田 所在地 秋田県由利本荘市 発見年 1989年 生産開始年 1995年 概況 鮎川油ガス田は、由利原油ガス田の北側に位置し、由利高原の北端からさらに北方の子吉川流域にかけて広がっています。1989年に掘削した「東鮎川AK-1」の成功により誕生しました。鮎川油ガス田の貯留層は、船川層、女川層、グリーンタフなど複数の貯留層から構成されています。 油ガス田名 由利原油ガス田 所在地 秋田県由利本荘市 発見年 1976年 生産開始年 1984年 概況 由利原油ガス田は、秋田市から南方50kmの鳥海山の北麓、由利高原に位置しています。1976年に掘削した試掘井「由利原SK-1」の成功により誕生しました。その後も探鉱を続け、グリーンタフでの油ガス層の発見に成功し、由利原油ガス田(深層)の開発も行われています。