数値は《 消費予定量/発電予定量 》であり、発電予定は消費予定より想定した数値に安全係数を掛けたものであり、結果の数値は誰が考えても適切になる。まして潜在最大発電容量を超えない限りは自由に想定できる、、、関西では最初から「オオカミ少年の宣言」的に受け止めており、殆ど見ていないと思いますが、改めて記事を見ると、再確認しています。
本当に知らせるのなら、最大発電能力で割るべきです。一番よい範囲をきちっと示せば、どの割合で電気が出来るのが適切か素人でも判断できる様になるでしょう。
関電「でんき予報」に“不信感” 任意調整できる供給力…数値は自由自在? (1/3ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
関電本店に掲げられた巨大な「節電協力」の垂れ幕。需給逼迫の危険性を訴えるが、実態は…=大阪市北区(香西広豊撮影)
2日にスタートした関西電力の節電要請から約10日が経過した。当初の一昨年夏比15%以上の節電目標は、大飯原子力発電所3号機(福井県おおい町)のフル稼働を受け、10%以上に緩和された。
しかし、関電のでんき予報では、なぜか再稼働後のほうが使用率予報が高くなっているケースが多い。再稼働により供給力が上積みされ、再稼働前後で最大需要はほとんど変わっていないにもかかわらずだ。なぜ、でんき予報の使用率が改善されないのか? その背景には、関電の“ある思惑”が見え隠れするのだ。
「節電に対する取り組みを非常に深めていただいている」
9日、関電本店(大阪市北区)で節電目標の引き下げを発表した香川次朗副社長は、管内で昨夏以上の節電が進んでいるという見方を示した。
産経新聞の調べでも節電要請開始後、関電管内では昨夏に比べ最大電力が約130万キロワット減少していることが判明。管内の一般家庭や企業が、昨夏以上に厳しい節電に取り組んでいる実態が浮き彫りになった。
ここで利用者(管内の顧客)が節電対策の目安としているのが、関電が連日発表する「でんき予報」だ。特に、企業などの大口需要家にとっては、関電の需給見込みが翌日の生産計画などに影響することもある。
でんき予報は前日の午後6時ごろに発表される。供給力に対する最大需要の割合を「電力使用率」で示したもので、90%未満であれば「安定した需給状況」としている。
節電要請初日の2日のでんき予報(1日夕発表)は、電力使用率を「81%」(午後2時台)と予想した。最大電力見込みを2140万キロワットとし、それに対する供給力として、火力をほぼすべて稼働させるなどして2624万キロワットを確保したためだ。
その後、大飯原発3号機が9日未明にフル稼働を開始。これに伴う揚水発電の能力増強もあって、供給力は計約170万キロワット改善した。しかし、11日(10日夕発表)のでんき予報はなぜか「88%」(午前11時台)と厳しさを増す予想となった。最大電力見込みは、2日とほぼ同じ2190万キロワットだったにもかかわらずだ。
注意深くみると、大飯3号機がフル稼働して供給力の上限は確かに増強されたものの、その日その日の供給力は減っているのがわかる。ほかでもない、関電が供給力を減らしていたのだ。11日の供給力は2488万キロワットで、2日に比べて約140万キロワットも減少していた。
実はこの日、関電は赤穂発電所2号機(兵庫県赤穂市、60万キロワット)や海南発電所3号機(和歌山県海南市、同)など火力の4プラントの運転をあえて停止させ、約250万キロワット分の発電を止めていたのだ。表向きは「供給余力がある間に火力の検査・調整をするため」(関電担当者)というのが理由だ。
確かに電力需要のピークを間近に控え、不測のトラブルを防ぐために火力のメンテナンスを行うことは重要だ。しかし、疑問は残る。そもそも関電が任意で調整できる供給力を元に弾き出された「使用率」を、純粋な“でんき予報”と位置付けていいものだろうか?
裏を返せば、関電が供給力をコントロールすれば、使用率の予報値は自由に操作できる。安定した需給を示す「青信号」が続いているとはいえ、管内の家庭や企業が厳しい節電を強いられている状況下で、このような「でんき予報」には不信感を覚えずにはいられない。(香西広豊)