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メモ「 起業/C世代」

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 C世代の起業、先日も「これからは、交換価値よりも使用価値、虚から実、つくる立場の論理から使用する立場の論理へ」と言っていた。時代が大きく変わっている時代であり、10年前、20年前の考え方では「時代を乗り越えていけない」!若人の気持ちを紐解くと、以下の様になるのか?

たたき上げ少数か  :日本経済新聞

 マッキンゼーは採用説明会でOBらの活躍を「卒業生」として紹介する。採用担当の岩谷直幸(35)は「転職志向を奨励はしないが、外部での飛躍を応援する文化はある。目標が明確な若手は伸びしろも大きい」。

 東大卒の就職先で20年前にはマイナーだった同社は今や人気上位の常連だ。20年後の日本。「たたき上げ」は少数派だろうか。皆が転職を重ねて勝ち組になれるわけではない一方で、「負け組は不幸」とも限らない。

(C世代 駆ける)(1)開かれる知 つながる力 :日本経済新聞

 20年後。幼い子どもは社会人となり、20代の若者は社会のけん引役になっている。次の世代が描く未来図はどんな形だろう。日本と世界は大きく変わっているはずだ。ヒントを探しに出かけてみた――。

 米国西海岸のシリコンバレー。床も柱も天井も白。滑るように動く赤いカートが組み立て途中の車を運ぶ。油のにおいも騒音もない。電気自動車テスラ・モーターズの工場で、今年半ばからの量産へ準備が始まった。

 創業者はインターネット決済やロケット開発でも知られる起業家、イーロン・マスク。いま40歳。なぜ純白の工場か。

 「僕たちは急激な変化の中にいる。この産業はもっと革新的な文化を受け入れなくちゃ。現状を疑い、新しいことに挑む場所がここなんだ」

 パソコン用に似た電池を積み、車体はアルミ。次代の車には塗装や組み立てにも新しい知恵と工夫がいる。100年前、フォード・モーター創業者のヘンリー・フォードは溶鉱炉や発電所を抱えた重装備工場を力の源にした。マスクはソフト力や頭脳が要とみる。

「重厚」から「軽やかさ」へ

 自動車産業の新たな担い手がアップルやグーグルと同じハイテクの地に誕生したのは偶然でない。フランス、ドイツ、ブラジル、カナダ、日本……。年産2万台の工場に集まるのはエコカーで環境を守ろうという世界の550人。「重厚」から「軽やか」へ。新しい軸が生まれつつある。

 英知が大事な時代。閉じた組織で思考の袋小路に入らずに、広い世界に問うこともできる。

 〈電気のないアフリカの村に安全で便利な暮らしを届けたい。太陽電池で動くランプ兼懐中電灯をつくれないか〉――。米テキサス州の日用品会社の問いに具体的な設計を示したのはニュージーランドの電気技師ラッセル・マクマホン。報奨2万ドルだったそうだ。

 ボストン郊外にあるイノセンティブは企業や政府が解けない課題をネットで公開し、世界から「解」を募る。登録された研究者・技術者は世界各地の25万人。これまで1300超の課題の半分に答えを出した。挑戦心が旺盛なのは1975年以降に生まれた世代。社長のドゥエイン・スプラドリン(45)が言う。

 「彼らはひとつの会社に忠誠を誓う就労観が薄い。新しい課題で能力を発揮したがる。必ずしも報奨狙いじゃない」。地球に散らばる難問を軟らか頭が解きほぐす。

 中南米ハイチ。リュック・エマニュエルはパソコンを通じたデータ管理の仕事をしている。ケニアの首都ナイロビのバネッサ・カンイは同僚だ。仕事の発注元は先進国のネット企業。仲介組織によるとアフリカなどの6カ国で1500人が働き、大半が30歳以下だ。

強まる共時性 進む感覚共有

 しゃれたオフィスで働くネット企業社員と彼らの境遇には差がある。だがともにグローバル経済の原動力だ。20年前、ウィンドウズは一部の人のツールでグーグルは形もなかった。いま20億人がネットを使いポケットにはスマホがある。自動翻訳の普及など次の20年で地平は広がり、地球はもっと小さくなる。

 ノーベル賞経済学者のマイケル・スペンスは「世界人口の15%が享受する豊かな生活が今世紀半ばには75%にいきわたる」とみる。世界はシンクロニシティー(共時性)を強め、共有するものや感覚が一段と増える。

 中東ではネットでつながった若者が民主化活動を主導した。欧米でもネット世代が持つ熱量は高い。熱の一部は「次の産業革命」に注がれる。

 「撮りたい映画がある」「こんなデジタル機器をつくれたら」……。個人の夢をかなえる会社がニューヨークにある。事業計画をネットに掲げ、賛同者から資金を集める。仕組みを運営するキックスターターの創業者、ヤンシー・ストリックラーは33歳。

 ――なぜこの事業を。

 「量販店でみなと同じ品物を買って心から満足できる? 自分が実現にかかわった商品には語れる物語がある。人を金持ちにするような話だけが大事なわけじゃない。30代以下はクリエーティブなことが大好きだ」

 2009年に創業し、集めた資金は1億2千万ドル。1万5千件の夢をかなえた。資金の出し手に金銭の見返りはない。共鳴した夢に相乗りする連帯感で歯車を動かす。

 20世紀。人類は大量生産型の規格社会を築き、効率的な快適さを手にした。気がつくと個性が消え、息苦しい。そんな時代にさよならを言う世代が台頭する。社会性や社交性といった「ソーシャル」への親近感が震災後の日本にも染み渡る。

 「仮設住宅にふれあいの場がほしい」。宮城の南三陸町では住民の声に応えて米ハーバード大大学院や米マサチューセッツ工科大の学生らが集会所をつくりあげた。

 「建築家のアイデアが地域とのコミュニケーションを通じて形になった」。事業メンバーの宮城大教授、平岡善浩(45)は喜んだ。プロもアマも日本も外国もない。復興の最前線で「チーム・グローバル」が20年後の街の姿に目をこらす。

 共鳴する世界は国を超え若い世代を巻き込む。同じ価値観や使命感を抱く人々が自由につながる。押しつけでない分、秘めるパワーは大きい。新世代が次代のルールで動く。古い秩序って、窮屈じゃないですか……。

 コンピューター(Computer)を傍らに育ち、ネットで知人とつながり(Connected)、コミュニティー(Community)を重視する。変化(Change)をいとわず、自分流を編み出す(Create)。ジェネレーションC、未来へ駆ける。

(2)選んだ「七色」キャリア 大志秘め経験重ねる :日本経済新聞

 米国に「ティーチ・フォー・アメリカ」という組織がある。大学新卒者を2年間、貧しい地域に教師として送る非営利法人。一筋縄ではいかない貧困層の子どもと向き合い、課題解決力が磨かれると評判で、就職したい先の全米1位になった。

マザーハウスでバッグを売る山崎さんは元エコノミスト(東京都台東区) 

  これが日本に上陸する。特定非営利活動法人(NPO法人)ラーニングフォーオールが生活保護家庭の多い学校に来年から30〜40人を派遣する計画だ。「厳しい経験は次のステップへの力を育む土台にもなる」と代表の松田悠介(28)は話す。

 終身雇用が前提の働き方がきしむ。20年後、あなたはどこでどんな仕事をしていますか? わからないから面白い、と考える世代が増す。

「留職」の試み

 小沼大地(29)は経営コンサルタント会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーの採用試験で「3年でやめる」と宣言した。言葉通り昨春に退職し、NPO法人クロスフィールズを立ち上げた。「いろんな組織で経験を重ねて、よりインパクトの大きな仕事をしてみたい。そう考えた」。企業の社員が新興国などで働く「留職」の仲介に取り組んでいる。

 途上国発の世界ブランドづくりを掲げ6年前創業したバッグ製造販売のマザーハウス。財務や出店戦略を担う副社長の山崎大祐(31)は元ゴールドマン・サックス証券のエコノミストだ。

 慶大卒業後、金融を知りたいと「4年で辞め世界に出る」つもりで就職しアジア経済を担当。いったん志は忘れた。「後輩が起業したこの会社を手伝って焦りました。会社員の自分と成長のスピードがまるで違うから」。結局4年で退社した。

 バングラデシュ工場はフル稼働で、昨年、台湾にも店を出した。「この会社も4年から5年で移ろうと思っていたが、いまは面白くて辞められない」と腰を据える。

自由に飛び回る

 IT(情報技術)社長やフリーターを経て、政治任用で内閣府の官僚も務めた病児保育サービスのフローレンス代表、駒崎弘樹(32)は「NPO、ビジネス、官僚などと飛び回った経験はイノベーションの苗床。回転ドアのような働き方のロールモデルがあっていい」と話す。

 転職や独立を前提とした働き方はかつて“腰かけ”と批判された。それをキャリア(Career)形成の通り道と考える世代は増える。学生1900人に聞いてみた。理想の働き方は? 「1つの会社で長く勤めたい」は6割。残り4割は「職を変えてキャリアアップ」(22%)、「最初の会社をステップに独立」(10%)などと考える。

 今春の大卒予定者の就職率は昨年10月時点で59.9%。物心ついたときから低迷した経済しか知らない世代は、なお就職氷河期を過ごす。

 良い大学に入り有名企業に入社し終身雇用で将来も安泰――。そんなモデルが日本で通用したのは、戦後の数十年間。有名企業が20年後もその座にある保証はない。

 親世代のような働き方は狭き門。ならば「自らの市場価値を見つめ、武器を磨き、リスクをとる決断を続ける方がよい」(京都大客員准教授の滝本哲史)。自分価値を高める選択肢を新しい世代が切り開く。


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