今後の研究で出てくる技術の活用組織事例ですね!
充電時間を理論上半分にできるほか、電池の耐久性が3割向上、新技術を使った電池は日産自動車やホンダのEVやHVなどに採用される見通し…言うこと無しです!
エコカー用電池の先端部材、日米中で量産 クレハ・伊藤忠出資 革新機構軸に日本勢結集へ :日本経済新聞
クレハ、クラレと伊藤忠商事は官民ファンドの産業革新機構と組み、電気自動車(EV)などの充電時間を半減できるリチウムイオン電池の先端部材を量産する。日米中に新工場を建設し、将来は日本の関連素材メーカーに広く参画を呼びかける。エコカーやその素材は日本勢が先行したが、円高などで中韓勢の追い上げが激しい。官民で先端素材技術を結集し、主導権の維持を狙う。
クレハや革新機構などが共同会社を通じて生産するのは、EVやハイブリッド車(HV)のリチウムイオン電池に使う負極材と呼ぶ主要部材。新工場の建設のために約200億円の増資を実施し、うち革新機構が100億円を出す。革新機構は50%弱を出資する最大株主となる。
クレハなどは植物由来の素材を炭にして負極材に使う技術を確立した。プラグインハイブリッド車などでは充電時間を理論上半分にできるほか、電池の耐久性が3割向上するという。
まず2014年をめどに国内で量産を開始し、その後、北米や中国などに工場を建設する。新技術を使った電池は日産自動車やホンダのEVやHVなどに採用される見通しだ。
革新機構などは新型の負極材生産に加え、リチウムイオン電池の生産に必要な他の主力部材で高い世界シェアを持つ日本の素材メーカーに参加を呼び掛ける。17年までに各社の技術を持ち寄って基幹部品を共同開発する構想で、一部のメーカーとはすでに交渉に入った。
エコカー用電池はHVなどで先行した日本車向けの供給でパナソニックなど日本勢が世界で先行した。それに伴って主要部材メーカーも日本に集積していた。ただ、長引く円高などを受けて日本勢の競争力にかげりが見えており、韓国LG電子や独ボッシュなどが海外のエコカー向け電池で攻勢をかけている。部材でも調査会社によると直近の世界シェアで日本勢が初めて5割を下回ったという。
革新機構は日本の産業構造の変革や次世代産業の育成を目的に09年に設立した官民による投資ファンド。代表的な投資は日立製作所、東芝、ソニーの中小型パネル事業を統合したジャパンディスプレイへの2000億円の拠出がある。