米国産シェールガス輸入へ 大阪ガスと中部電 - 原発・電力:朝日新聞デジタル
大阪ガスが出資している米国の液化天然ガス(LNG)会社「フリーポート」の子会社と契約した。今回の契約で確保したガスの価格は原油価格に連動せず、東南アジアや中東から輸入しているLNGと比べ3〜4割安いという。
大阪ガスと中部電力は、米国産シェールガス(岩盤層にある天然ガス)を輸入する契約を米国企業と結んだ、と31日発表した。2017年からそれぞれ最大年220万トンを輸入する。 大阪ガスは「多様な調達先を持つことで購入時の価格交渉もしやすくなり、ガス料金の値下げや供給の安定化につながる」としている。
大ガスと中部電、米国からLNG調達 調達先多様化 :日本経済新聞
大阪ガスと中部電力は31日、2017年にも米国から液化天然ガス(LNG)を調達すると発表した。米企業と組み、現地で新型天然ガスの「シェールガス」などを液化して日本へ輸送。割高とされる日本勢のLNG調達コストの低減につなげる。東京ガスと住友商事なども同様の計画を進めており、中東や東南アジアに偏っていた調達先の多様化が加速してきた。
両社は同日、米テキサス州にあるフリーポートLNGデベロップメント社の子会社と、それぞれ年220万トンのLNG委託加工契約を結んだ。契約期間は20年。大ガスはLNGの年間輸入量の約3割、中部電は約2割に相当する量を確保できることになる。
12年末から13年の早い段階で米政府の許可を得て、17年から日本に輸入する計画。火力発電所や都市ガス向け原料のほか、国内他社への卸売りも視野に入れる。
日本企業が調達している天然ガスは現在、大半が原油価格に連動して値決めする方式で高止まりしている。割安なシェールガスの生産が増えている米国産に切り替えれば、調達コストが3〜4割安くなるという。調達コストが下がれば電気・ガス料金にも反映される可能性が高い。
米国産LNGを巡っては、東京ガスと住友商事のほか、三菱商事と三井物産も米国から輸入する協議を始めている。中東や東南アジア、オーストラリアへの依存度が高かった日本で、LNG調達先の多様化に弾みがつきそうだ。