五輪応援 つぶやき盛況 開幕後1割増、日本勢活躍で勢い TV見ながら感動共有 :日本経済新聞
内村選手が金メダルを決めた2時50分ごろ投稿数はピークに
ロンドン五輪が開幕して約1週間。「ツイッター」などのソーシャルメディアが本格普及して初の大会で、五輪観戦の新しい楽しみ方が広がっている。メダルが決まる場面はほとんど日本時間の深夜。自宅でテレビを見ながら選手の活躍をたたえるつぶやきで、仲間と感動を共有する。こうした情報のやり取りが深夜の高視聴率につながっているとの指摘もある。
神奈川県の会社員、近藤千裕さん(34)は連日、深夜までスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)を手にしながらテレビにくぎ付けだ。3日には女子サッカーの試合を前に、交流サイト(SNS)フェイスブックに「今日はブラジル戦。なでしこらしさを存分に発揮してほしい」と応援メッセージを発信。「なでしこ」ファンの友人と「注目の一戦」を前にサイト上で盛り上がった。
五輪の開幕を境にソーシャルメディアの利用が拡大している。利用状況を把握可能なツイッターの投稿件数でみると、開幕以前は1日当たり4300万件前後だったが、開幕後は4600万〜4700万件に約1割増えた。うちスマホからの利用がほぼ半数を占めている。
観戦者の情報発信を促すのは選手の活躍だ。例えば男子体操個人総合で内村航平選手が金メダルを取った2日未明にかけて。テレビ放送が始まった午前0時過ぎから午前3時過ぎまで、金メダルの期待とともに投稿が急増した。金メダルを決めた2時50分ごろ、5分当たりの投稿数はピークとなり24万件を突破した。
「内村の跳馬、3度も見返した」。東京都渋谷区の会社員、森川潤さん(30)は試合後にツイッターにこうつぶやいた。民放キー局などが運営するサイトで、内村選手の映像を見ながら感動を反すうしたという。
表彰式が終わった後、3時30分過ぎには北島康介選手が競泳の男子200メートル平泳ぎの決勝に登場。結果は4位に終わったが、その前後にツイッターの投稿数が再び上昇に転じ5分あたり10万件を超えた。
ツイッターと連動したヤフーの五輪特集コーナーにも多くの閲覧者が集まっている。五輪の開幕前後でスポーツコンテンツ全体の閲覧者数が3倍に急増。特集の閲覧件数は前回の北京大会より2割多い10億件台を突破する勢いという。
「ソーシャル五輪」は日本だけでなく世界的な広がりを見せている。7月27日(日本時間28日)の開会式ではインターネットの基礎技術を開発した氏がステージ上からツイート。一気に世界中から1万件の返信があった。
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ティム・バーナーズ・リー
ティム・バーナーズ-リー氏:「グーグルやフェイスブックから自分のデータを取り戻そう」 - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
ワールド・ワイド・ウェブの考案者として知られるティム・バーナーズ・リー(Tim Berners-Lee)氏が、英Guardianとのインタビューのなかで、現在フェイスブック(Facebook)やグーグル(Google)などが管理するユーザーのさまざまな個人情報(データ)を、ユーザー自身が使えるようにすることで、それぞれにカスタマイズされた複数のサービスが登場する可能性があると述べている。また同氏は、英国政府が進めている諜報機関によるインターネットやデジタルコミュニケーションの監視計画について反対する姿勢を示している。
まず、バーナーズ・リー氏は、近年ウェブ上で膨大なデータが利用可能になっているとした上で、個人(一般のネットユーザー)はまだこのことの価値について気づいていないと述べている。同氏は、ネットユーザーはグーグルやフェイスブックなどさまざまな大手ウェブ企業に対して、自分のパーソナルな情報を提供するよう求めるべきとしている。
「私のコンピューターや携帯電話は、私の健康状態についてかなりよく理解している。例えば、私がどんなものを食べるか、どんなところにいるか、どのくらい運動をしてきたか、どのくらい階段を登ったか、みたいなことを知っている」(バーナーズ・リー氏)
同氏は、こうしたデータを役立てることができれば、個人にとって非常に便利なサービスが提供できるようになるとしつつ、現状ではソーシャルネットワーキングサイトが個人のデータを管理しており、個人がこれを利用する方法がないことが問題としている。
バーナーズ・リー氏は「オープンなインターネット」の擁護者として知られ、過去にはFacebookなどソーシャルネットワーキングの「サイロ」(silo)の台頭や、スマートフォン・アプリのような「閉じた」ウェブの拡大に警鐘を鳴らしてきた。そんな同氏は、いまだにこうした非常に支配的もしくは独占的な企業各社が及ぼす影響を危惧しているとしつつ、同時に小さな企業が技術革新をもたらす力が拡大していることから、現在市場を支配する巨大企業の影響力がこのままずっと続くことにはならないだろうとの見方を示している。
いっぽう、英国内で議論を呼んでいる政府のウェブ監視政策の推進に関しては、これを「危険なもの」であるとし、とりやめるべきと警鐘を鳴らしている。
英国政府は今月はじめ、同国の諜報機関である政府通信本部(Government Communications Headquarters:GCHQ)で、さまざまなソーシャルメディアでの発言やスカイプ通話、Eメールのやりとりなどを監視し、また国内のインターネットユーザーのウェブサイトへのアクセスのログをとる計画を明らかにし、大きな批判を浴びていた。
公共データのアクセス可能性に関して同政府のアドバイザーを務めているバーナーズ・リー氏は、監視政策が人権の破壊につながるとし、大量のプライベートな情報が汚職によって盗まれたり、オープンにされる可能性が高まるとしている。
「人々の情報を常に記録すべきとするアイディアは明らかに危険だ。それは情報が盗まれ、悪意ある公務員や管理者によって利用される可能性があるということを意味する。例えば、政治や軍事に関わる人物を脅迫することもできるだろう。これらの情報の記録を残すことは、濫用の可能性を広げるということ」(バーナーズ・リー氏)
【参照情報】
・Tim Berners-Lee: demand your data from Google and Facebook - Guardian (UK)
・Tim Berners-Lee urges government to stop the snooping bill - Guardian (UK)