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発電・電力小売りの参入促進 経産省検討 事業別に免許再編 送配電網、中立機関が運用 :日本経済新聞
経済産業省は電力制度改革の柱として「発電」「送配電」「小売」など事業ごとの免許を導入する検討に入った。現在は規模や販売先で免許を分けているが、新制度では既存の電力会社と新規参入を問わず、事業ごとの横割りの免許に改める。小規模な業者にも免許を付与し、信用を補完。電気事業法を改正し、発電と小売りの規制を緩めて新規参入と競争を促す。
政府は昨年12月に電力制度改革の論点整理をまとめており、経産省が今月下旬から議論を本格化する。来年の通常国会に電気事業法の改正案を提出し、2013年度の導入を目指す。
現在は発電、送配電、小売りまで一貫して手掛ける電力10社を「一般電気事業者」に指定し、その他の事業者は規模や供給先で分類する。大規模な発電所を保有し電力会社に供給する「卸電気事業者」、オフィスや工場に販売する「特定規模電気事業者(PPS)」など事業者ごとに縦割りの免許となっている。
新しい免許制度は会社ごとではなく、どんな事業を手掛けているかに着目したものだ。「発電」「送配電の運用」「送配電の所有」「小売」とする案が有力だ。電力会社は1社で複数の免許を取ることになる。
政府は電力会社が発電、送配電、小売りを一括して担う「発送電一体」体制の見直しにも着手。送配電網を電力会社に残しつつも、運用の独立性を高める「機能分離」を軸に検討している。送配電網の運用と所有で免許を分けるのは、電力以外に運用免許を与える場合を想定したものだ。
電力供給のインフラとなる送配電網の中立性を高めるために、電力会社から独立した中立機関に送配電網の運用を委託する案も浮上している。
事業別免許の最大の狙いは発電と小売りの競争促進だ。政府は規制にメリハリをつけて新規参入を促す。送配電部門は規制を大幅に強める一方、発電・小売りは緩める。
小売部門では免許を与えることで、様々な事業者の新規参入を促す。発電設備を持たずに電力市場から調達した電気を販売する業者や、再生可能エネルギー専門に販売する業者の登場などを想定。現在、大口向けに限定している新規事業者の販売対象も家庭向けまで含めて全面自由化する。
発電事業では、既存の電力会社に比べて不利な競争条件を改善する。電力需要の変動に合わせて供給量を調整する体制を求めている規制を新規業者については緩和を検討。発電所を建てる際の森林利用制限など既存の電力会社よりも厳しい規制も見直す。
蓄電池の普及戦略、経産省が今夏策定 再生エネ出力安定・昼間の省エネ :日本経済新聞
経済産業省は、今夏をメドに蓄電池の普及に向けた戦略を策定する。6日付で省内横断のプロジェクトチーム(PT)を設置し、蓄電池の政策立案機能を集約。組織の縦割りを超えて産業界や消費者のニーズを戦略に盛り込むことを目指す。省エネルギー推進や再生可能エネルギーの普及促進などを進める上で、蓄電池の普及戦略づくりが欠かせないと判断した。
2013年度予算や税制改正要望にも、この戦略を反映させる予定だ。
PTには、エネルギー政策を担当する資源エネルギー庁のほか、自動車産業や研究開発などを所管する省内3局から総勢30人あまりが参加する。
研究開発のあり方や普及に向けた規制緩和策、技術の標準化戦略などを盛り込んだ具体策を今夏までにまとめる。(1)大規模太陽光発電所(メガソーラー)などの出力を安定させるために使う大型蓄電池(2)家庭などの電力消費のピークカットに役立つ定置用蓄電池(3)次世代自動車に使う車載電池など――の3分野を重点政策課題と位置付ける。
7月から再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まる。ただ太陽光や風力は気象条件の影響で出力が安定しないため、ナトリウム硫黄(NAS)電池などと組み合わせて出力を安定させる必要がある。こうした大型蓄電池の研究開発や導入促進策を議論する。
また家庭やオフィスに定置用蓄電池の設置が進めば、電力需要の少ない夜間に蓄電して昼間に放電することで昼間の電力使用のピークカットができる。同省は今年度の3次補正予算で定置用蓄電池の導入補助制度を創設したが、一層の普及促進や低価格化を後押しする。
車載電池ではリチウムイオン電池のほか、燃料電池車の普及に向けたインフラ整備なども進める方針だ。