東レなど、薄型テレビ向け素子をナノチューブで作製 :日本経済新聞
東レは韓国の慶熙(キョンヒ)大学と共同で、シリコンに代わる高性能のトランジスタを開発した。カーボンナノチューブ(筒状炭素分子)を使い、印刷技術で安価に短時間で作る。電子の動きが速くなるため、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)などの薄型テレビに使うと、処理性能が5倍になり、高速な動画を再生できる。3年後の実用化を目指す。
開発したのは、画像表示部の制御に使う薄膜トランジスタ(TFT)。心臓部に当たる電気の通路にナノチューブを使った。インクジェット方式のプリンターで作る。ナノチューブをインクに溶かしたときに固まるのを防ぐ技術を新たに開発。製造時間を従来のアモルファス(非晶質)シリコン製トランジスタを作る場合の5分の1に減らしたという。