TBS「夢の扉+」8月19日 #67「人工知能搭載!考えるヘリコプター」
操縦いらず!自律制御し目的地へ飛ぶ“考える”ヘリコプター
警視庁も導入を検討!世界に誇る技術で人々を危険から守れ!
ドリームメーカー/千葉大学工学部教授 野波健蔵 さん
『科学技術は社会に役立ってこそ、真の科学技術だ』
一見すると、ただのラジコン・・・?いや、実はこれ、“自ら考えて飛行する” ハイテクヘリコプター。リモコンなどで操作しなくても、GPSでゴール地点を設定するだけで、水平バランスも方向も高度も自ら感知し、目的地まで自動で飛んでいくという。この“自律制御”の機能を備えた小型ヘリを開発したのは、元NASA研究員で千葉大学工学部教授、野波健蔵・63歳。野波は、このヘリコプターを、人が近寄れない危険な場所での作業などに役立てようとしている。警視庁もこの夢の技術に注目。化学工場が爆発した際などの「偵察用ヘリコプター」として、導入を検討しているという。
千葉大学副学長というもうひとつの顔も持つ野波は、『ロボットと人間との大きな違いは、“無から有を生み出すところ”』と、学生には“考える”ことについて常に説いている。その原点は、自身が30年前に経験したNASAの研究員時代の経験にあった。成果を出さないと評価されない厳しい環境・・・。無から有を生み出すため、野波は常に“考えろ!”と言われ、いかにオリジナリティを出すかを模索してきた―。
そして、最も難しいとされる“小型ヘリの自律制御”にたどり着いた野波。新たな挑戦の地は、計画的避難区域に指定されている福島県川俣町の山木屋地区だ。この“考える”ヘリコプターで放射能測定を試みる。成功すれば、放射線量のより精密な分布を知ることができ、今後の除染作業などの効率が格段に上がる。しかし、そのためには1kg近くある測定器をヘリで持ち上げなくてはならない。そこで野波は、ヘリのある部分に改良を加えた。果たして、測定器を載せてヘリは川俣町の上空を飛ぶのか?
常に“より良い社会のために”と技術革新に挑むエンジニアに迫る。
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言うこと無しですが、次の段階としては、地上の蜘蛛型ロボと同様の大きさで重量物運搬にも耐えるヘリコプターが出来ると、開発用途が更に飛躍的に広がると思います。ヘリコプターも簡単なものから、あの話題のオスプレイまであり、この小型も大型化が可能と思います。挑戦を希望しています!
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2011.05.09千葉大の野波教授ら、無人ヘリで被災地を空撮、避難住民に提供へ
千葉大学の野波健蔵教授らは、研究室で開発した電動の小型無人ヘリコプターを遠隔操作して、東日本大震災の被災地を上空からビデオ撮影する実証実験に成功した。野波教授は「無人ヘリが(被災地での)撮影に活用できると確信した。今後は撮影した映像を避難住民などに届けたい」と話している。
野波教授らが開発した無人ヘリ(左)と、無人ヘリで地上20mから撮影した宮城県気仙沼市の様子(右、野波教授提供)
実験を行ったのは、岩手県宮古市から宮城県山元町までの太平洋沿岸地域。2〜5日にかけて実施した。研究室の岩倉大輔さん(博士後期課程2年)、宋昱澤(ソウ・イクタク)さん(同1年)とともにヘリ1機を用いて宮古市で実験を開始。山元町までの各地点でヘリを飛ばし、最高40mの高さから空撮を行った。総撮影時間は約1時間で、研究室メンバーの地上での総移動距離は約2,000kmにも及んだ。
野波教授によれば「1日あればヘリ1機で、1つの街を鮮明に撮影できる」という。現在保有する無人ヘリは2機だが、今後は10機程度まで増やして、被災地が復興する様子の定点観測も構想している。さらには福島第一原発周辺の制限区域での空撮も行い、域内の上空からの映像を避難住民に提供することも検討している
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