テスラ:「ロードスター」夢のEVスポーツカーに乗ってみた - 毎日jp(毎日新聞)
2012年を迎え、自動車業界では電気自動車(EV)やハイブリッドカー(HV)など、「脱石油」を目指す取り組みが一層加速化していくのは間違いない。そんな中で、環境面に配慮するだけでなく、スポーツカーとしての外観や走行性能にも優れているのがテスラモーターズ(本社:米カリフォルニア州)のEV「ロードスター2.5」だ。
最高時速は約200キロ、3.9秒(スポーツタイプは3.7秒)で時速97キロまでのスピードに達する加速能力。アルミ一体型のシャシーとカーボンファイバー製のボディーに4輪アンチロックブレーキなどを搭載。さらにオプションで10段階調整機能付きスポーツサスペンションを付加できるなど、「走り」にこだわったクルマだ。1回の充電で走行可能な距離(航続距離)は394キロ。一般に航続距離が短いのが難点とされている電気自動車だが、ロードスターなら、理屈の上では、東京から仙台、新潟、名古屋でも充電なしで走れる。価格は1276万8000円、スポーツタイプが1481万5500円(2011年12月30日現在)。ちなみに購入は一括払いのみでローンはきかない。
コンバーティブルの屋根をオープンにしたロードスターに試乗した。2ドア、2人乗り。リチウム電池はシートとトランクの間に置かれている。エンジンスペースが不要のため運転席の足元は深くゆったりしている。電源を入れ、アクセルを踏む。すうっと動き出す。いわゆるスポーツカーのエンジン音は一切なし。ただ、国土交通省のガイドラインで定められた車両接近通報装置の音もしない。公道に出る。路面に吸い付く安定感。ハンドルは重量感があり、静かに力強く風を切り裂く。信号が青に変わり、音もなく他車を引き離した。【毎日jp編集部】
◇Q&A「購買層は?」「販売台数は?」
テスラロードスターの特徴や購買層について広報の土肥亜都子さんに聞いた。
――購買層は?
30代後半から40代前半がボリュームゾーンです。お医者さん、それからテクノロジー(科学技術)好きな人。スポーツカーの走りが好きで、これまでは環境に負担をかけているという罪悪感とともに乗っていたけれど、ロードスターだったら環境にもいいから、と。テクノロジー好きな人は、この車がスマートフォンと同じリチウムイオンで走るということを面白がっています。
――日本で売れる色は?
いわゆるソリッド、マットな色。真っ赤やオレンジが人気。オレンジは日本の自然に合いますよね。黒も出ます。黒もきらきらしたタイプじゃなくて、マットな黒。
――ロードスターは何台ぐらい売れていますか?
ロードスターは全世界で2030台(9月末)です。世界限定販売方式で、予定が2500台なのであと400台ぐらいで生産が終わりです。弊社はいつまでも一部の人にしか手の届かないスポーツカーだけを作っていくつもりはありません。うちの創業者は、石油依存の社会から再生可能な社会へと移行できるように、ということで電気自動車ならそれができるんじゃないか考え経営しています。
――屋根の黒い編み目部分はなんですか?
黒い部分はすべてカーボンです。車体が1235キロ、バッテリーだけで450キロ。ですからどうやって車体を軽くするかが大きな課題です。その結論がカーボン素材でした。でも、テスラが出す次のモデル、セダンの「モデルS」はカーボンは使わずアルミの車体なんですよ。
2012年1月1日