がん専門病院など集積 切らない治療で負担軽減 :日本経済新聞
ポートアイランド2期に2011年に移転した新中央市民病院を取り囲むように、専門分野を深耕する病院群が集積しつつある。切らないがん治療を掲げる病院や、小児がんを患った子どもが家族と一緒に暮らしながら闘病できる専門施設などが来年相次ぎ開業する。創薬などの開発部門だけでなく、臨床分野でも医療産業都市の存在感が高まる。
来春開業予定の「神戸低侵襲がん医療センター」。ほかの専門病院と隣接して立地する(完成予想図)
神戸大医学部付属病院の教授らが中心となり、ポートアイランドに13年春開業する予定なのが「神戸低侵襲がん医療センター」。病床数は80床。最新の放射線装置などを使った切らないがん治療が特徴で、患者の負担軽減を目指す。5階建て、延べ床面積約8500平方メートルの病院を建設中だ。
小児がん患者の家族や医療関係者でつくる特定非営利活動法人(NPO法人)「チャイルド・ケモ・ハウス」(大阪府茨木市)は、小児がんの患者が家族と共同生活をしながら、治療を受けられる専門施設を13年春に開く。小児がんは半年以上の入院が必要。狭い病室で家族が連れ添う負担を少なくするのが狙いだ。
現在、新市民病院近くの市有地、約3500平方メートルに施設を建設している。施設内の共同住宅に約30〜50平方メートルの個室を19室設ける予定で、部屋にはそれぞれ洗濯機やトイレなどを備える。
13年には高度専門病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター病院(仮称)」が開設する予定。これら専門病院群が地の利を生かして連携する可能性もあり、新たな医療機関の進出の呼び水にもなりそうだ。