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memo ∞ 「クロマグロ、陸上で養殖 産卵から稚魚飼育/水産庁」 

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クロマグロ、陸上で養殖 産卵から稚魚飼育 水産庁、安定供給狙う :日本経済新聞

 刺し身やすし種として人気のあるクロマグロを陸上で養殖する試みが始まる。水産庁が長崎県でクロマグロの産卵・稚魚の養殖施設を陸上に建設し、来年4月に稼働させる。巨大な水槽で水温やエサを管理し、採卵時期を制御する。成長した稚魚は海上のいけすに移し、成魚に育てる。産卵から稚魚、成魚の育成まで完全養殖の仕組みが確立できれば、価格抑制につながる可能性がある。

 クロマグロの年間消費量に占める養殖魚の割合は2割程度あるが、大半は沿岸で天然稚魚を捕獲して養殖施設で成魚に育てている。近畿大学などが海上のいけすで完全養殖に成功したが、海で産卵するため、海水温や天候で時期や量にばらつきがあり、安定供給に課題があった。

 今回の水産庁の試みは陸上の管理された水槽の中で産卵させることで、稚魚の養殖を安定させる効果を狙う。同庁は世界で初めてとしている。

 具体的には、長崎市の港湾に面した場所に直径20メートル、深さ6メートルで3000トンの海水を蓄えられる水槽2基を建設する。回遊魚のクロマグロのために円形にするなど、人工的に水流が循環する仕組みを取り入れる。

 来年4月に生後2年のクロマグロを2つの水槽に100匹ずつ移す。クロマグロは約3年で産卵する成魚に育つので、早ければ1年後からの産卵が期待できる。5年後に年10万匹規模の養殖用の稚魚の供給を目指す。現在、養殖用に捕獲している天然稚魚(年50万匹強)の5分の1に相当する。

 ポイントは水温や日照、与える配合飼料など飼育環境を制御し、「特定の時期に一定量を採卵できるようにすること」(水産庁)だ。クロマグロの稚魚は主にマダイの稚魚を食べるが、産卵やふ化の時期が安定しないと、飼料の供給が間に合わず、共食いして死亡するケースが多いという。

 ふ化した稚魚は、しばらく陸上の別の水槽で育てる。6センチメートル前後まで育った時点で、専用のトラックで海上のいけすまで運び、放流する。その後は海上のいけすで成魚に育つまで養殖する。

 クロマグロをめぐっては天然の資源量の減少を背景に国際的に漁獲量を制限しており、養殖に対する需要が高まっている。ただ、これまでの養殖を拡大した場合、天然の稚魚を捕獲しなければならないため、長期的に資源量の減少につながると水産庁はみている。

参照 近大、養殖マグロの料理店



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