先日、米国は今年2013年に石油産出でサウジアラビアを抜き世界トップになると発表していた。数年前には想像すら出来ない中、昨年は米国でのゴールドラッシュならぬシェールラッシュが報じられていた。公害問題も並行して報道されていたが、国をあげて本格化するということは、それらもコントロール可能になって来ている様に感じる。下記の企業もそれら周辺産業の高まりに対応して行くものでありましょう。ガスだけでなく、同様の技術で可能となった「サンドオイル」の増産も注目される。
大陽日酸、工業ガス増産 シェールガス採掘向け窒素など 米で能力2割増、3工場新設 :日本経済新聞
工業用ガス国内最大手の大陽日酸は米国でガスを増産する。新型天然ガス「シェールガス」の採掘に必要な窒素などを供給する工場を含め、14年までに3工場を新設する。米国でのガス供給能力を1日あたり5500トンと現在より約2割増やす。米国で開発が進むシェールガス関連の投資が日本企業の間でも広がってきた。
大陽日酸はノースダコタ州とフロリダ州、アリゾナ州の3カ所に工場を新設する。投資額は計約80億円。今月末に稼働するノースダコタ州の工場はシェールガスの採掘用に窒素などを供給する拠点となる。残る2カ所は金属加工などが主な用途という。
ノースダコタ州ではシェールガスの大型開発が目白押し。シェールガスは頁岩(けつがん)層を高圧の水で砕いて取り出す。注水の前に窒素ガスを送り込むほか、酸素は破砕で出た汚水を浄化するために使われる。
工業用ガスは酸素、窒素、アルゴンといったガスを空気中から分離して取り出す。輸送するとコストが高くなるため、需要が見込める地域に生産拠点が必要になる。大陽日酸のガス供給拠点は現在、米国で15カ所あり、1日4500トン程度を供給している。
米国での工業用ガス供給能力が約5500トンに増えると、同国でのシェアは約10%に高まる。米国ではシェールガスの増産に伴い天然ガスの価格が下落し、石油化学など幅広い産業で設備増強計画が相次ぐ。大陽日酸は今後も年1〜2カ所の工場を増設していく方針。
工業用ガスは仏エア・リキードと独リンデが世界2強。大陽日酸の12年度連結売上高は4740億円を見込んでおり世界5位。将来は売上高を1兆円に拡大し、その半分を海外で確保する長期計画をたてている。
国内の製造業では三菱ケミカルホールディングスが米ダウ・ケミカルと提携し、安価なシェールガスを原料に使う石油化学コンビナート(テキサス州)に参画する計画だ。