2013年2月4日
世界最小サイズのNFCタグの開発に成功
−スマートフォンでの読み取りシステムの普及により、
家電、医療機器、ゲーム等への展開が加速しています。−
当社はフェライトアンテナを用いた小型で金属面でも交信するNFCタグ(※1)「MBT-0402」を開発しました。当社はフェライト材料の製造メーカーの強みを活かし、フェライトの高感度通信特性と独自のアンテナ回路を組み合わせた同シリーズの製品「MBT-1003(※2)」、「MBT-0503」を販売していますが、今回さらに小型化・薄型化した世界最小サイズのNFCタグ「MBT-0402」の開発に成功しました。MBT-0402は、アンテナ部分のサイズを縦4mm×横2mm×厚み1mmと従来の製品に比べ1/6〜1/3に小型化しながらも、さらに感度を高める改善を加え、リーダーとの最長交信距離50mmを達成しました。従来の製品と同様に、タグは全方向から磁束を受けることができるためいろいろな方向から交信できるほか、900℃で焼結させて製造するフェライトアンテナを採用しているため耐熱性にも優れており、過酷な環境下での使用や他のチップ電子部品と同時に基板へはんだリフロー実装でき、金型で樹脂成形することも可能です。
海外ではすでに、NFCタグをスマートフォンやタブレット端末で読み取り、個人認証や各種サービスを提供するシステムが普及していますが、現在国内でもスマート家電やスマートヘルスケアに同システムが導入されており、今後は自動車やアミューズメント分野でも利用することが計画されています。そのため、今後多くの物や場所にNFCタグが取り付けられることが見込まれています。しかし一般的なタグは使用環境や条件によっては使えない場合もありました。この課題に対し、MBT-0402はそのサイズや交信距離などの特徴も含め他に類を見ないNFCタグであり、これまで取り付けが困難だった場所や用途にも利用することができます。例えば、空きスペースの無い小型の家電製品や電子機器、またはヘルスケア機器などへのNFCタグ内蔵に最適です。また医療分野でもタグを使ったシステムの導入が進んでおり、金属器具や小さな検体の識別などへの利用も検討されています。当社は、これら拡大する市場に対応するため、月産100万個以上の供給体制を整えています。
なお、当社ではすでにスマートフォンに内蔵されるNFCアンテナに貼り付けるフェライトシートを製造販売しています。今回のNFCタグ製品と合わせ、今後さらに成長するNFC市場に対し関連事業の拡大に力を入れていきます。
【製品写真】
世界最小サイズのNFCタグ「MBT-0402」
(アンテナサイズ:縦4mm×横2mm×厚み1mm)
【用途事例】
・電子機器の相互認識
・電子機器や基板のトレーサビリティ
・医療用検体の識別、管理
・金属器具の管理、トレーサビリティー
・ゲーム機器や玩具
【使用例写真】
【用語説明】
(*1)NFCタグ:13.56MHzの周波数を利用した近接無線通信技術NFC(Near Field Communication)で使われるタグ。アンテナとICチップから構成され、リーダライタ機能を搭載したスマートフォンなどをかざすだけでIC内の情報を読み書きできる。
(*2)MBT-1003:モノづくり日本会議/日刊工業新聞社共催の2011年“超”モノづくり部品大賞、モノづくり日本会議共同議長賞を受賞。
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宮原 幸治
TEL 0827-57-0057
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