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メモ「グリーン経済/”リオ+20” 2012.6~」  

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 今朝の金子勝先生のツイートでの紹介記事です。世界がその方向へ向かっている時に、どうも日本は周期遅れになりがちです。報道のあり方にも問題があるのでしょう。日本は自由であると思わせられていますが、まだまだ閉鎖的なところが一杯あることが、「3.11」にて自覚させられました。20年前のリオの頃は、三井物産の偉い方が講演で言っていたのを、何処の国の高尚な話かと、我が事とは感じていませんでした。今の中国や開発途上国の民衆は同じ様な感じか〜もっと気にも留めていないかもしれません。「3.11」を不幸中の幸い、神が与えたもうた「チャンス」と捉えて動いて行かねばと思います!

「グリーン・ニューディール」や、「グリーン経済」って何のこと? : COME ON ギモン:経済 : Biz活 : ジョブサーチ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

効果は未知数も今後の経済発展の軸になる可能性

オバマ米大統領(2011年11月)

 2008年9月のリーマン・ショックに端を発する世界的な金融・経済危機のなか、「グリーン・ニューディール」という言葉が浮上しました。

 「ニューディール」というネーミングは、1929年に始まる世界恐慌の後、フランクリン・ルーズベルト大統領が公共事業により景気回復・雇用拡大を図った「ニューディール政策」にちなむものです。

 2009年にスタートしたオバマ政権は、「米国再生・再投資法」を成立させ、低所得者向け住宅の断熱工事への補助や再生可能エネルギー事業者を対象とした税控除、省エネ対策をとった家庭への減税などを実施してきました。これが通称、「グリーン・ニューディール」と言われているものです。米政府は、四半期ごとにその効果を検証する報告を出し、GDPや雇用創出という効果があった、と数字も挙げていますが、そうした効果を評価する難しさもあるとしています。

 財団法人「日本エネルギー経済研究所」の地球環境ユニット総括、工藤拓毅氏によると、世界で初めて、グリーン・ニューディールという考え方を打ちだしたのは、英国のニュー・エコノミックス財団の研究者グループでした。2008年7月に発表した報告書の中で、「金融危機」と「気候変動」「原油高」を三つの問題として、これを同時に解決する方法として、省エネルギー、再生可能エネルギーへの投資などを提言しました。石炭、石油といった化石燃料の値段を高くして、この上乗せ分を雇用創出や低所得者層支援に回すことも提言しています。

 「ニューディール」は、雇用創出による景気回復という側面を強調した言葉ですが、同時に、「グリーン経済」という言葉も一種、流行になりました。国連環境計画(UNEP)はやはり2008年10月、「グリーン・エコノミー・イニシアティブ」という取り組みを始めました。

 グリーン経済について、昨年UNEPが出した「グリーン経済に向けて」という報告書では、「環境や生態系が壊れる危険を減らしながら、人々の暮らしや社会的公正さも改善される」経済社会のこと、としています。抽象的でわかりにくいですが、同じ報告書では、「今後20年間で、水は、世界の需要の6割を満たす分しか供給できなくなる」「化学肥料を使って農業生産を伸ばしてきたが、土壌が劣化し、森林減少も食い止められない」などと警告し、現状は「グリーン経済からほど遠い状態にある」としています。

 グリーン・ニューディールという言葉が出てきたころ、2008年9月に出版され、ベストセラーになった、米ニューヨーク・タイムズ紙記者、トーマス・フリードマンの本は「Hot, Flat, and Crowded Why We Need A Green Revolution-And How It Can Renew America」という題名です(「グリーン革命」という題名で、訳本が出ています)。フリードマン氏は、「金融危機と、地球の危機をもたらしているのが同じものであることがわかった」として、1年後に初版本に加筆しています。最初に「グリーン・ニューディール」という考え方を打ちだした英国の研究グループも、金融取引の監視強化や規制などに力点をおき、単に、「環境を守ろう」ということではなく、金融経済の改革も含め、「グリーン」としていました。

 金融危機などに象徴される経済の状態、広がる格差、環境や生態系が壊れるという懸念、石油をはじめ減少が心配される自然資源、地球温暖化や、きれいな飲み水の減少…こうした状況のなか、環境保全に配慮しながら、かつ、豊かな社会をつくる道はないのかを考えるのは、世界的トレンドともいえます。

 日本政府も2007年には「環境立国戦略」、2009年4月には、当時の斉藤鉄夫環境相が「緑の経済と社会の変革」をまとめています。しかし、網羅的に施策を並べたパッとしないもので、人々の記憶にも残りませんでした。

 今年2012年6月には、ブラジル・リオデジャネイロで、「国連持続可能な開発会議」が開かれます。ちょうど20年前の1992年、リオデジャネイロで開かれた「地球サミット」にちなみ、「リオ+20」と呼ばれる会議です。地球サミットでは、二酸化炭素など温室効果ガスを減らすための国連気候変動枠組み条約と生物多様性条約ができました。「リオ+20」は、「グリーン経済」をテーマに掲げています。

 この国連の会議を前に、日本政府は、「グリーン経済」の定義や説明をしていません。単に抽象的で説明が難しいというだけでなく、地球規模での広範な改革論議の中で出てきている言葉なので、「とてもじゃないけど、説明できない」ということなのでしょうか。
しかし、各国が知恵を絞って、様々な「グリーン」戦略を打ち出し、国のビジネスの「売り」にしようとしているのも事実。東日本大震災・原発事故の後、日本の様々な地域で、再生可能エネルギーによる発電や、熱利用などの具体的取り組みも始まっています。そうした動きを私たちがつなげ、掘り起こし、政府が後押しすれば、新たな経済社会づくりで、日本独自の道を打ち出せるかもしれません。

 「リオ+20」のホスト国、ブラジルの外務省環境特務担当局長、アンドレ・コヘーア・ド・ラゴ氏が3月2日、東京で行った記者会見でこう述べています。

 「日本は、ほかの先進国の中間所得層にみられるいきすぎを回避した国だ。そして、将来を左右する技術的な資産を十分備えた先進国だ。我々が日本に期待するのは、豊かな先進国であり、豊かさには限界があることも認識している国として、2050年には人口が90億人になる地球上に生きる人々の道しるべとなってくれることだ」
(編集委員 河野博子)

(2012年3月28日  読売新聞)

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