東北大、完全埋め込み型補助人工心臓を想定した小型ワイヤレスポンプ開発。圧力120mmHg以上で毎分5L以上の流量を実現 (発表資料)bit.ly/HS4GkO pic.twitter.com/eaTL7C3L
完全埋め込み型... | プレスリリース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-
東北大学電気通信研究所石山和志教授を中心とするグループは、新しい小型ポンプを開発しました。このポンプはワイヤレスでの駆動が可能で、人間の心臓と同程度のポンプ能力を持ち、かつ小型であることから、完全に体内に埋め込んで使用する補助人工心臓実現への道を拓くものとして期待されます。
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完全埋め込み型補助人工心臓への道を拓く 小型ワイヤレスポンプの開発
<概要> 東北大学電気通信研究所石山和志教授を中心とするグループは、新しい小型ポンプを開発しました。このポンプはワイヤレスでの駆動が可能で、人間の心臓と同程度のポンプ能 力を持ち、かつ小型であることから、完全に体内に埋め込んで使用する補助人工心臓実現 への道を拓くものとして期待されます。
<内容> 補助人工心臓には皮膚を貫通するチューブやケーブルが必須であり、それらを不要とするワイヤレス動作のポンプの臨床応用例はありません。それに対して本研究開発では、磁 気の力を利用して完全にワイヤレスで動作するポンプを実現し、皮膚を貫通するもののな い、完全埋め込み型の補助人工心臓用ポンプを実現しました。このポンプは単二型乾電池 程度と小型でありながら、120mmHg 以上の圧力において毎分5リットル以上の流量を実 現しています。このスペックは補助人工心臓のスペックを十分に満たすものです。
このポンプは、3 つの研究グループの協力で実現しました。
第一のグループである東北大学電気通信研究所石山教授のグループは、磁気を利用した ワイヤレスでの駆動システムを開発しました。電気通信研究所はこれまでにもカプセル内 視鏡を体内で移動させるシステムなど「ワイヤレスで動かす技術」の開発を行ってきまし た。このポンプもこの技術を基盤として開発されたものです。
第二のグループである株式会社アイ・アンド・ピーは、高度な射出成型技術を基盤とし て、複雑な形状でかつ強力な磁石の開発を行いました。この技術により磁石材料でポンプ インペラ部を作成することに成功しました。
第三のグループである東北大学加齢医学研究所山家教授のグループは、補助人工心臓へ の適用の可能性を検討しました。山家教授は、人工心臓をはじめとする人工臓器の開発研 究に多くの業績を挙げています。今回の開発では、動物実験を通じてこのポンプの有用性 と安全性に関する検討を進めています。
心臓に疾患を持つ患者さんにとって、自然心臓の治癒までの間、あるいは心臓移植まで の間、補助人工心臓の助けを借りる必要があります。そのような患者さんの生活の障害と なるのが皮膚を貫通するチューブやケーブルです。本研究のポンプが臨床応用されれば、 世界初の完全埋め込み型ポンプが実現します。また、小型バッテリーでも駆動できることから可搬性も良好です。今後、このポンプの安全性を中心にさらなる研究開発を行い、完 全埋め込み型補助人工心臓を実現してゆきます。
(お問い合わせ先) 東北大学電気通信研究所 担当:石山和志教授 または庶務係 電話番号:022-217-5488(石山)、022-217-5420(庶務)