JR東日本は、自前の火力発電所を川崎と信濃川に持っており、関東地区では9割、全区域でも6割の電力を独自に賄っています。設備は最新鋭に変えていっています。311、定時停電の混乱は、信号機等で確認が出来ていなかった為であり、列車を動かすのには支障無かったはずです。帰宅避難民を締出したことは、心持ちの問題であり、即改善できた様です。今までの事故反省の体質あり、いざと云う時の対応は見事です。新幹線他、新潟上越地震の反省は、今回の震災対応でも生きていました。(東電との企業体質に余りにも大きな格差があることは周知のことです)
そのJR東日本が本腰を入れて備蓄と電力安定化に注力することに、大いなる意義を感じます。
JR東日本と鉄道システム用地上蓄電設備の実証試験を開始 | ニュース | 川崎重工
2012年07月02日
川崎重工は、当社が開発した鉄道システム用地上蓄電設備「BPS(Battery Power System)」を東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)管内の営業路線にある変電所に設置し、同社と実証運用を開始しました。
当社はJR東日本と共に今回初めて同社管内で回生電力貯蔵装置の試験運用を行い、蓄電池をき電線(架線)に直結できる世界で唯一の方式を用いるBPSを設置することで省エネ効果などを調査します。
今回の試験に際し、当社とJR東日本は共同研究開発契約を結び、当社はBPSの設計・製作および試験データの測定・分析を担当し、JR東日本は試験フィールドの提供およびBPSの運用業務を担当します。BPSは青梅線内にある古里変電所に設置され、蓄電池には当社製の大容量ニッケル水素電池「ギガセル」※を使用しています。BPSの実証運用は2013年2月まで断続的に行われ、稼動時と休止時の比較を行いながら、季節ごとの省エネ、電圧安定化等の性能分析を実施する予定です。
BPS(Battery Power System)とは
BPSは、き電線に制御装置を介さずにギガセルを直結したシステムです。ギガセルは高速充放電が可能で負荷応答性能が高く安全性に優れたニッケル水素電池であるため、チョッパ装置などの電力変換器を不要とすることが可能で、設備の低コスト化および小型化を実現しています。また、BPSはこのような制御装置を介さないことから制御遅れや制御損失がなく、高い省エネ効果が得られ、かつ信号設備に対する誘導障害の原因となる高調波を発生させないことを特長としており、鉄道事業の電力の有効利用と輸送の安全・安心に貢献します。
高速充放電が可能なギガセルは再生可能エネルギーの急峻な変動に応答します。ギガセルは、交通インフラ分野におけるBPSをはじめ、太陽光発電や風力発電の出力安定化や災害時の自立運転システム、船舶向け蓄電装置など様々な分野での用途に展開しています。当社は今後もエネルギーの有効利用に貢献していきます。
□ 古里変電所向けBPS システム仕様
機器構成
蓄電池(30−150型ギガセル、43直列1並列)、電池監視装置盤、高速度遮断器、断路器、ヒューズ
公称電圧
1548V
公称容量
150Ah
公称エネルギー容量
232kWh
※ 「ギガセル」は川崎重工の登録商標です。
古里変電所
BPSギガセルユニット