自動車関連は本当に日進月歩ですね!
三菱電機など大手電機・電子部品各社が電気自動車などに使う次世代モーターの開発で脱レアアース(希土類)を加速する。三菱電機はレアアースの使用を全廃したモーターを開発したほか、TDKは入手困難なレアアースのジスプロシウムを使わない駆動モーター用磁石の実用化にメドをつけた。レアアースは世界生産の9割を占める中国が輸出を制限。安定調達が難しくなっており、代替技術の確立を急ぐ。
電気自動車やハイブリッド車の駆動源となるモーターには強力な磁石が必要。現時点で最も強力な永久磁石は、鉄にネオジムやジスプロシウムなどのレアアースを混ぜてつくっている。
三菱電機は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で、レアアースを使わない電磁石の原理を応用した車載用モーターを開発した。酸化鉄などの外周にコイルを巻き、電気を流して強い磁力を発生させ駆動力に変換する。加速時のエネルギー効率は従来製品に劣るが、速度が安定しているときは同等の性能が出る。
TDKはジスプロシウムの使用をゼロにできる永久磁石を開発した。材料の分子をより細かく均一に加工することで同等の磁力を保つ。2014年以降に車載用モーターに組み込む磁石として実用化を目指す。東芝もジスプロシウムを使わない磁石の開発を進めている。豪州や米国に豊富な埋蔵量があるサマリウムを主体にする。
民間の動きを官も後押しする。経済産業省は窒化鉄など入手が容易な素材で磁力や耐熱性を備えた磁石を開発し、次世代電気自動車などのモーターに組み込めるようにする。技術研究組合を設立し、10年間の予定で研究開発に取り組む。自動車や磁石メーカーのほか、大学や公的研究機関に参加を呼びかける。