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メモ「日本のビジネス書や実用書/アジア席巻」

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 アメリカはハリウッド映画、韓国はそれに習って韓流国家支援、日本は漫画がいいと放置するだけでなく、積極的に「ノウハウ本」で同様の日本ブームをアジアで起こせば、感謝される生き方の伝達となりますね!アジア各国では書籍の値段は日本の感覚の2〜4倍はしています。金を持っていなければ所有して読むことすらかなわないのです。しかし、電子書籍時代となると、この問題が解決されて行くのではないでしょうか!

「片づけの魔法」「生き方」…日本の実用書、アジア席巻 ノウハウ、日常に生かす :日本経済新聞

 日本のビジネス書や実用書がアジアでよく売れている。経済や経営の最先端の潮流を伝える米国のビジネス書に比べ、日本の本は日常の実務に役立つノウハウをまとめたものが好評だ。近年は、日本で話題になった本にはすぐに海外から引き合いがくるという。

韓国や中国で売れている日本の書籍

韓国や中国で売れている日本の書籍

 京セラを創業した稲盛和夫氏の人生哲学書「生き方」が中国で100万部、片づけコンサルタントの近藤麻理恵氏の「人生がときめく片づけの魔法」が台湾で5万3千部……。近年、サンマーク出版が出した書籍がアジアで相次いでベストセラーになっている。

 同社の本が海外で売れ始めたのは1990年代半ば。「脳内革命」(春山茂雄著)が韓国、中国、台湾で合わせて70万部に達してからだという。同社では海外での販売を「いずれは収益の柱の一つに」と、英文でのカタログやニュースレター作りなどに力を入れる。

 日本で270万部の大ベストセラー「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海著)もアジアで好調だ。これまで韓国、台湾、中国で計11万5千部。インドネシアとタイでも発売予定だという。日本の版元、ダイヤモンド社の御立英史書籍管理部長は「近年は年間50件ほどずつ海外での刊行が決まる」と話す。

 「超訳 ニーチェの言葉」(白取春彦編訳)の大ヒットで知られるディスカヴァー・トゥエンティワンは今春、中国人と米国人を採用した。近く香港とニューヨークに支社を置く。海外の読者の動向を知り、「将来は現地で作った本を各国で売りたい。日本国内は少子化で長期的には人口が減る。いずれ電子書籍が広がり流通コストが下がることを見越して、世界で売れる本作りの力をつけたい」と干場弓子社長は先を見る。

きめ細かさ魅力

 海外での書籍販売は一般に1件数十万〜100万円の契約金が入るだけ。ただし現地で大ヒットすれば、契約にもよるが数%の印税が入る。ベストセラーを多発すれば、大きな収入になる。

 日本のビジネス書や実用書がなぜアジアで受け入れられるのか。ダイヤモンド社の御立部長は「最先端のビジネスコンセプトは米国の本から得る国が多い。一方で日本の書籍はかゆいところに手が届く。普段の仕事に役立つ情報がきめ細かく書かれている点が評価されている」と受け止める。

 ディスカヴァー・トゥエンティワンの干場社長は「ビジネス書は米国から買ったとしても、少し生活にかかわる本は、キリスト教文化圏の本より、日本の本に共感するようだ」と言う。アジアで売れた日本の本は実用書に近いものが多い。

 諸説あるが、日本で現代的なビジネス書が出回り始めたのは高度成長期といわれる。当初は米国の翻訳書や著名経営者の自伝や経験談が主流で、読者は一部のホワイトカラーだった。だがバブル崩壊以降、サラリーマンの実務に役立つ本や仕事の心構えを説く本が増え、読者の裾野が広がった。人気著者も育ち、独自の「ビジネス書文化」が生まれた。それが90年代から韓国や台湾に、近年は中国にまで広がった。

新局面読み解く

 しかし、「既に海外への販売数で、韓国の出版社が日本に迫っている」とユナイテッド・ブックスの神澤享裕社長はみる。同出版社はアジア各国での書籍の同時出版を目指している。神澤社長によれば、韓国のビジネス書は日本に比べてテーマが大きいという。それらは市場の大きい中国に好まれる。さらに神澤社長は「韓国の出版社は、中国だけでなく東南アジアへの営業も強化している」と話す。

 ビジネス書の潮流に詳しい出版コンサルタントの土井英司氏は、「2008年のリーマン・ショック以降、失敗の理由を探る本や節約、掃除をテーマにした本が流行し、日本でも以前ほどビジネス書が売れなくなった。しかし今年は、勝つためにどうすべきか考えよう、イノベーションを起こそう、といった前向きな本が増えている」と分析する。そうした本が、先進国経済の新局面を生きるための実用書として、アジアの人々にアピールするかどうか、試される。

(文化部 瀬崎久見子)


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